
消防活動33年の仲間さん受章 長年の功績、瑞宝単光章に 危険業務従事者叙勲
政府は9日、第44回危険業務従事者叙勲の受章者を発表した。4月29日付発令。国の栄典制度の一つで警察官、自衛官、消防吏員、海上保安官、入国警備官、麻薬取締官など危険性の高い業務に従事した元公務員を対象に春と秋の年2回行われ、長年にわたり公共の安全と秩序の維持への尽力、功績をたたえる。今回は県内からの受章は39人。うち宮古関係では、瑞宝単光章に消防功労で元市消防指令長の仲間源榮さん(74)=平良東仲宗根在住=が受章する。
仲間源榮さんは市民の命と財産を守るという使命感を持ち続け、約33年間の消防活動を全うした。人助けはとても良いことだと言い「1人では成し遂げられない仕事。これまでチームワークを磨き、連携して任務をこなしてきた」と笑顔で語った。
2009年2月に発生した平良西里東部の火災を振り返り「地下1階と地上1階が全焼するほどの大火事だったが、死者を出さなかったことがなによりの救い」と当時、消火設備不足のため鎮火に時間を要したことや、約24時間にも及ぶ消火活動の中で地域の方が差し入れを持ってきてくれたことを話し「寝ずに活動にあたったが、周りの人たちの支えもあり成し遂げられた現場だった」と回想した。
県から1月に叙勲の内示を受け、「身に余る光栄なことで驚いたが、先輩方の指導と後輩たちが支えてくれたおかげで成し得た受賞」と感謝の意を述べ、家庭を守ってくれていた内助の功について「激務で不在が多い中、4人の息子を守ってくれた妻には感謝している。報告を受けた時は喜んでくれていて良かった」と話した。
また「今後はいち市民として宮古島の安心安全を願っていく」と述べ「日頃の訓練や体調管理をしっかりと頑張ってほしい」と後輩たちへエールを送った。
1950年5月25日生まれ。東仲宗根出身。沖縄電気専門学校卒業。72年平良市役所建設課港湾係に勤務し、77年平良消防本部へ異動。平良市警備課長、総務課長を経て、市町村合併の05年に宮古広域消防組合および宮古島市消防本部消防指令長、市消防署長に就任し、11年退職。