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議事が停止し、ひとり議場に残る粟国恒広氏 =市議会本会議場

市議22人が議場を退席 市議会 粟国氏の違法行為に抗議 教育長再任人事に疑問の声

 宮古島市議会(平良敏夫議長)は24日、本会議場において午後1時半から予定されていた粟国恒広氏の一般質問に際して、議員が次々と議場を退席していき、最終的に22議員が議事をボイコットしたことで本会議は停止した。粟国氏は長年にわたる農地違法転用を主導し、再三の改善要求に一切応じない姿勢を示してきたことが問題視されてきた。また本会議には、嘉数登市長から副市長選任、教育長任命の同意案が追加上程され質疑も行われた。

人事案の質疑に応じる嘉数市長


 市議会3月定例会における粟国恒広氏の一般質問に際して、山下誠氏が「粟国氏による一連の違法行為に対する抗議行為」として議場を退席したのを皮切りに、議長と粟國氏を除くすべての議員が議席を離れ、市議会は議事停止に追い込まれた。
 粟国氏は平良松原地区の農地違法転用を10年間主導。再三にわたる改善指示や勧告に対し一貫して応じない姿勢を表明してきた。さらには「違法転用に至った原因は、市の不適切な対応にある」と主張するなどの振る舞いが問題視され、2024年3月議会で粟国氏に対する議員辞職勧告決議が賛成多数で可決されている。
 約2時間の休会を挟んで、過半数を超える議員が議場に戻ったことで議事が再開された。しかし、休会中にどのような協議・調整が行われたかについて、議長からの説明も粟国氏からの言及もなかった。市民が議場退席や議会再開の是非を判断することは難しい。
 市議として高い法令順守を求められる粟国氏の言動に対する嫌悪が市民に広がることは自明であるとはいえ、市民の代表として行政に対峙する議会と議員には、恣意(しい)的な感情論に映らない振る舞いを期待したい。
 また市議会では、市長から副市長選任と教育長任命の人事に対する同意案が上程され質疑が行われた。
 質疑では、議員から「任期途中に家族の市議選出馬を理由に辞職した大城氏を再任することに、市民や学校関係者から、教育現場における政治的中立を維持できるかについて多くの疑問の声が上がっている」との意見や、「大城氏は息子の選挙支援のみならず、市長選挙において、これまでともに歩んだ座喜味氏ではなく、嘉数氏を積極的な支援を行っており、まさに選挙功労人事だ」との発言が相次いだ。
 市長は「大城氏の教育文化面での経験と実績が、私の市政運営に必要だと判断して就任を依頼した」と応じた。副市長と教育長人事への裁決は25日に行われる。

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