クルーズ船拠点の観光案内所で論戦が展開された =平良港(資料写真)

「受入委託料計上ない」 クルーズ船対応で論戦 案内業務への影響懸念

 市議会3月定例会一般質問の19日、平良港に寄港するクルーズ船乗客の受け入れで観光案内所に配置している通訳などに充てられていたクルーズ船受入体制強化事業委託料が2025年度は計上されないことで論戦があった。池城健氏が25年度は寄港が2倍も見込まれている中、観光案内など業務や交通整理も含めた対応に影響が出るのではないかと聞いた。砂川朗観光商工スポーツ部長は「乗客の多くが旅行代理店のツアーで案内業務に支障はない」と答弁。ツアー以外の乗客には観光案内所前に観光パンフレットを常備し取ってもらう対応にするという。論戦ではごみのポイ捨て、トイレの使い方などマナー問題も浮き彫りとなった。
 港湾課によると平良港のクルーズ船寄港は、24年度が2月末現在で52回、乗客数は13万4750人、25年度は127回の予約が入っている。
 池城氏は「24年度にクルーズ船受入体制強化事業委託料が3024万8000円計上されていたが、25年度には計上されていない。(寄港が)2倍も増えるのに受け入れは大丈夫か」と対応を聞いた。
 砂川部長は「クルーズ船受け入れ業務はコロナ禍の23年度から実施してきたが、大型船の寄港で1000人以上が来た際は混雑する状況は見られたものの、対応で混乱が生じることはなかった」と述べた。
 受け入れについては「乗客の多くが旅行代理店のツアーによるバス、タクシーを利用した島内観光や買い物などを行っている。(宮古島観光協会への)委託内容は観光案内所での島内の観光パンフレットの配布等でツアーに入らない乗客に対しての観光案内を行っている」と説明した。
 同案内所には通訳が配置されているが、効率化を図っていく必要があるとの考えで「通訳の配置を最小人数に観光案内パンフレットは案内所前に常備し、自由に取っていただく体制に合理化した」と述べた。
 池城氏は「現在でも観光案内やバス・タクシー乗り場での交通整理を含めた対応でいっぱいという感じで、その要員がいなくなると混乱をきたすのではないか」と聞いた。
 これには「観光ツアー乗客のバス・タクシー乗り場への案内はツアー会社でやっていただくのが筋でスムーズに案内するように申し入れていきたい」と述べた。
 池城氏が入手したクルーズ船受け入れ業務のまとめによると、課題として「2次交通でタクシー不足や電子マネーの対応ができない」、乗客のマナー問題では「ごみのポイ捨て、喫煙、トイレの使い方」などが挙げられており、緊急時の関係機関との連携ができていないことも指摘されているという。

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