
「特定利用」へ近く判断 平良港 市長、議員らに内容説明 「民生利用が中心確認」
嘉数登市長は、自衛隊や海上保安庁が有事に備えた訓練などで使えるよう公共インフラを整備する「特定利用空港・港湾」について10日、市議会全員協議会で議員らに説明した。非公開で行われ、3日の内閣官房国家安全保障局などからの平良港指定に向けた内容を説明したという。議員からは住民に直接説明すべきや米軍利用を懸念する質問があった。嘉数市長は「(政府との面談で)懸念な点は確認しており、民生利用が中心であることの確認も取れている」と話した。野党議員からは「市長は指定を受けたい考え」との話があり、嘉数市長は「議会に説明し反応も見たので判断材料は揃っている。近く判断する」と語った。
特定利用空港・港湾は県内では那覇空港と石垣港が指定されている。県が管理する宮古空港と下地島空港、市が管理する平良港については指定へ向けて検討しているという説明が行われている。
市と政府との面談は、これまで5回あり、最近では3日に内閣官房国家安全保障局、内閣府沖縄振興局、国土交通省、防衛省から8人が市役所を訪れて嘉数市長と面談した。
面談後、嘉数市長は「議会との意見交換を踏まえて判断したい」と話しており、それに向けて政府との面談内容を説明した。
説明のあと取材に応じた嘉数市長は「(政府との面談で)これまで一貫して民生利用が中心であることは確認が取れている。仮に港湾整備するに当たっても新たな負担が生じてはいけないという点も確認している」と話した。
議員から米軍利用への懸念の質問があったことには「特定利用空港・港湾と米軍はまったく別であり、米軍利用は日米地位協定に基づいてなされるべきであり、そこは改めて確認を取ってある」と語り、米軍利用には「自粛を求めているのが市のスタンス」とも語った。
新年度に向けた特定利用申請は今月中旬と言われており、判断が注目されている嘉数市長は「2年間の議論で市としての確認は取れているので近く判断する」と話した。
池城健氏は「住民にきちんと説明すべきということに市長は住民の代表である議員に説明したのでいいと言ったが、地域懇談会で住民の声を聞くべき」と語った。
國仲昌二氏は「(特定港湾へ)指定する必要性はどこにあるのか。緊急事態の言葉を使えば(自衛隊などが)すべて優先になるのではないかとの懸念を示した」と特定利用への動きに疑問を呈した。