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金城会長から答申を受け取る前泊教育長代理 =市役所2階・庁議室

市123件目の文化財指定に 保護審議会答申 保良クバクンダイ鍾乳洞 今後、保全に関する理解周知へ

 宮古島市文化財保護審議会(金城透会長)は7日、市教育委員会から要請のあった市城辺保良にある「保良クバクンダイ鍾乳洞」(通称パンプキンホールほか)についての答申を市役所で行った。金城会長によると昨年10月に審議会を行い、「市指定文化財(天然記念物)に指定し、保存・活用していく必要がある」とした。市教委では同日に市役所内の掲示板で1週間告示し、異議申し立てがなければ同日付けで指定。市の文化財指定はこれが123件目となるとのこと。

保良クバクンダイ鍾乳洞(提供資料)


 同鍾乳洞は城辺保良髭水1145の2海食崖下に位置し、海抜0㍍に開口する洞穴。地域では「コバコンピズーツ」「コバコン洞」「保良洞」などと呼ばれ、北東から南西方向と北西から南東方向に伸長する袋上で洞口から最奥部まで30㍍、東西の洞奥40㍍、天井面の海抜10~11㍍の内部空間が広がり、フローストーンやリムストーンなど小規模ながら多様な鍾乳石が発達している。
 また、絶滅危惧種や宮古島固有種(ツヅピスキホラヒメグモ)などが確認されており、特殊な自然環境下での生物の進化や生態などに理解を深める点でも学術的価値が高いことなどが評価された。
 答申には金城会長、前泊直子教育長代理天久珠江生涯学習振興部長らが出席。前泊代理が金城会長から答申を受け取った。
 前泊代理は「諮問に応じていただき感謝したい。洞穴も動物も貴重な文化財であり、これからの利活用に向けて協力をお願いしたい」と述べた。
 同指定までの経緯と現況については梶原健次生涯学習振興部次長が説明。それによると現在、保良自治会と「保良クバクンダイ鍾乳洞保全利用協定」を結ぶ観光事業者8社とそれ以外の1社が洞内観光ツアーなどの利用があるとのことで、協定を結ぶ観光事業者からは保全に関することに同意を得ており、同協定により沖縄振興特別措置法で県知事から認定を受けていることなどが報告された。
 その一方で鍾乳石一部には人為的な損壊が確認されており、現在は立ち入り禁止エリアもなく、そこを管理する人員も配置されていないため、今後は観光事業者や協力するコンサルタントらと審議し、配慮した上で次年度末までに多角的に見たルールづくりとして保護管理計画の策定を進めるとのこと。
 金城会長は「指定文化財は未来からの預かり物であり、宝物。保全活用計画を策定することで宮古島の人たちに知ってもらい、島の誇りと自信につながっていくのが望ましい」と語った。

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