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持続可能な発展へ422億円 次年度一般会計 新事業への挑戦と既存拡充
2024年度第1回記者会見が開かれた26日夕、嘉数登市長は2025年度当初予算案を発表し、市民の利便性向上と行財政効率化の両立を目指すことを明らかにした。予算案は、沖縄振興特別推進市町村交付金や沖縄地域離島活性化推進補助金などを活用し、財源確保を図るとしている。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)の推進、防災・減災の取り組みなどが予算編成の基本方針とされた。
市は持続可能な発展と市民生活の質の向上を目指し、次年度の一般会計予算は歳入・歳出とも422億円とした(前年度比0・5%の減少)。特別会計では145億円で、2・1%の増とした。
歳出予算では、義務的経費として人件費や児童手当費が増加しており、投資的経費としてはし尿処理施設整備事業の完了により、国庫支出金および市債の大幅な減少(21億円)が見られる。一方、増加の要因となったのは脱炭素先行地域づくり事業やふるさとまちづくり応援基金積立金などが見られる。
自主財源となる市税は69億円(前年度比2億1千万増)、諸収入およびその他が26億6千万円(同12億2千万円増)、繰入金は30億円(同7千900万円減)とした。
具体的には新規事業として、地域の防災活動をリードする人材となる防災士の資格取得への支援として70万円。体育館を再整備し、有事の際の防災拠点に3億2千万円(債務負担のみ)。狩俣および島尻地区をモデル地区とし通信環境を整備した上でスマート農業を図るための実施調査「情報通信環境整備対策事業」に2100万円。
また、市観光地域づくり推進事業に910万円、姉妹・友好・交流と連携し、各地の旬の食材を使用する食の祭典「みやこじまキッチン」開催に800万円、離島甲子園事業費に8500万円も盛り込まれた。
教育分野では、学びの基礎力アップ事業(各種検定の検定料全額補助)に約900万円を拡充し、同一検定の再受検も補助対象として子どもたちの学力向上を支援。また、選手派遣費にも宿泊費を1派遣あたり一人につき5千円を追加し、7千100万円とした。
福祉面では、がんばる介護職員応援事業に2千500千円を新設し、介護職員の継続支援の強化と介護ロボット導入に向けた調査の実施。また、加齢性による難聴者の補聴器購入助成金を片耳だけでなく両耳を対象として盛り込んだほか、介護事業所への補助、人工呼吸器を装着しているなどの医療的ケア児とその家族への支援も図るとした。
そのほか、副市長時の地域懇談会やウーマンミーティングでの要望のあった事業も盛り込まれた。