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陸上自衛隊宮古島駐屯地へ向けて移動する電子戦部隊の車両 =平良港

電子戦部隊が車両輸送 住民連絡会が阻止行動 強行配備に自衛隊と対峙 警察の排除で緊迫

 防衛省は26日、上野野原の陸上自衛隊宮古島駐屯地に配備予定の電子戦部隊の車両輸送を完了した。民間船「みかさ」で運ばれた車両は平良港の漲水ふ頭に陸揚げされた。ふ頭入口ではミサイル基地いらない宮古島住民連絡会が阻止行動を行った。メンバーらは「電子戦部隊の配備を許さないぞ」「基地の島にするな」などとシュプレヒコールで反対の意思を示した。車両が駐屯地に向けて出る際はメンバーらが路上に寝転んで阻止行動を展開し、これを宮古島警察署員らが排除するなど緊迫した状態が見られた。

路上に寝転んでの阻止行動で反対の意思を示した住民連絡会メンバーら


 電子戦部隊の車両を積んだ民間船「みかさ」は、午前7時ごろに漲水ふ頭に入港し陸揚げされた。入り口にはミサイル基地いらない宮古島住民連絡会のメンバーらが集まり阻止行動を行った。地元のほか、県外から駆けつけたメンバーと共に配備反対の意思を示した。
 同連絡会共同代表の清水早子さんは「電子戦部隊は有事に電磁波を使って敵の電波をかく乱し、味方を防御する役割を担うという。有事・戦争になった時にこそ機能する働きで戦争状態を作り出す。戦争を前提に準備を進めるような軍備が持ち込まれる。住民説明会もない配備は許されない。ひるむことなく車両を止めていきたい」と述べた。
 応援で駆けつけた県外からのメンバーもマイクを握り、電子戦部隊の阻止行動に賛同し配備に反対の姿勢を見せた。
 午前9時ごろには先導のために駐屯地から来た車両をふ頭に入れないようにとメンバーらが立ちはだかった。
 監視していた警察は「宮古島警察署からの警告です。通行妨害をやめて道路を空けてください」と呼び掛けた。メンバーらは「電子戦部隊が入ることで戦場になる。戦争を止めるためにここに来た」と述べ、路上に寝転んだ。
 警告から20分後、警察は排除に乗り出し2、3人で1人を抱えるなどして移動させた。電子戦部隊の車両が駐屯地に向けて出る際も同じような阻止行動を展開。ここでも警察がメンバーらを歩道に移動させたあと車両は駐屯地に向かった。
 駐屯地前でも阻止行動は続いた。一般車両が多く通る入口ではメンバーらと警察。自衛隊の対峙で大型車両が止まり、後続の一般車両の通行に影響が出た。
 住民連絡会は、阻止行動に向けての24日の会見では「昨年8月に防衛省が宮古・八重山や奄美群島で電子戦部隊を新設するための調査を盛り込んだなどの報道から半年、市や市議会、住民団体からの住民説明会を求める要請が出されているが防衛省、沖縄防衛局から一言も説明がない」と不満を見せた。

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