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要救助者を救助する海上救助訓練の様子 =久松漁港

大規模災害想定し訓練 海上・陸上の人命救助公開 警察、海保消防など 宮古警備隊主催で連携確認

 陸上自衛隊宮古島駐屯地の宮古警備隊は1日、宮古島近海での大規模地震や津波を想定した実働訓練「宮古列島防災訓練」を久松漁港および多良間島で実施し、防災関係機関の連携強化を図った。近海で震度6の地震が発生し、宮古島を津波が襲うと想定。陸自ほか宮古島署、消防本部、海上保安部による海上・陸上での人命救助や炊き出し時の連携、災害発生時の支援活動に使用する野外入浴セットの動作確認といった実動訓練を公開で実施した。
 大規模災害を想定した実動訓練は県と陸上自衛隊第15旅団共催による「美ら島レスキュー」で毎年行われ、昨年は佐良浜漁港で実施。同漁港での実施は2年ぶり。同警備隊が主催となる。
 同漁港での実動訓練では同警備隊から155人、警察署員4人、海保職員9人、消防隊員は午前と午後で計20人が参加。さらに宮古島調理師会や市社会福祉協議会の協力の下で炊き出しを行った。
 会場内には東日本大震災などの大規模災害現場で被災者を支援するために使われ、1日に1200人が利用できる野外入浴セットやAEDが体験できる人命救助セットなどが設置されていた。
 午前中は海上救助訓練や衛生救護教育などを実施。炊き出し場では市社協から提供された食材を用いて約300食のカレーライス作りに励み、来場者に振る舞われた。
 海上救助訓練では伊良部島大橋が使用不可能となり島が孤立した事態を想定し、海上に投げ出され孤立した要救助者を捜索するためにドローンによる情報収集、陸自、海保、消防が保有する各ボートや水上オートバイによる救助訓練を実施し、漂流者を救助して、漁港で車両搬送を引き継ぐ一連の流れを確認。午後からは陸上救助訓練を行った。
 一方、多良間村では陸上救助訓練を実施。炊き出しのカレーライスも約100食準備し、村民らに振る舞われた。
 同駐屯地司令の比嘉隼人同警備隊長は「市、村をはじめ関係機関の皆さまとの連携を強化し、災害時の各種活動を円滑に行うため、実動訓練を含め、事前調整や図上訓練等で災害対応能力向上に努めている。引き続き、自治体や関係機関と連携し、市民および村民の安心安全を守れるよう日々精進する」と述べ、理解と協力を求めた。

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