肉用牛振興、高値取引を JA宮古市場25年初セリ 生産農家、関係者ら祈願 「1番牛」に高値111万円
JAおきなわの「2025年宮古家畜市場初セリ」が19日、平良山中の同家畜市場で行われた。式典ではJAおきなわや市、県、購買者、生産農家ら関係者が今年初のセリ開催を祝うとともに肉用牛の振興発展と高値取引を祈願した。引き続き行われた1月期肉用牛セリ市では恩川勝吉さん(下地高千穂)が出品した1番牛「勝福号」(去勢)が111万3200円(消費税込み)の高値で落札された。セリ価格が低迷していただけに初セリでは今年の高値取引を期待する声が多く聞かれた。
式典では、JAおきなわの安谷屋行正専務が関係者の支援、協力に感謝した上で「昨年の畜産業を取り巻く環境は市場価格の低迷や円安の影響を受け、生産コストが高くなるなど畜産経営が厳しさを増した」と振り返り、今後に向けては「関係者と連携しながら畜産農家の経営強化、肉用牛の生産振興へ取り組んでいきたい」と述べた。
来賓の座喜味一幸市長は「全国的に畜産業を取り巻く環境が一段と厳しさを増す中、宮古島市でも10月に子牛平均価格が41万円台となるなど平成25年以来の低低格となり試練の年となった。市としては畜産飼料高騰対策事業に加え子牛価格安定対策事業を実施するなど肉用牛の品質維持に努めている。今年は枝肉価格が好況となり安定した取り引きがされることを願っている」と期待を込めた。
県農林水産部の前門尚美部長(代読)も来賓あいさつし、県独自の対策などで畜産農家の経営安定や畜産振興に向けて引き続き取り組んでいく姿勢を見せた。
1番牛で出品し高値で取り引きされた「勝福号」を飼育している恩川秀一さん(26)は「(市場価格の)低迷が続いている状態でも100万円を超える値段で買ってくれたことはうれしい」と笑顔。セリ価格が100万円に近づくと「最初から緊張していたが手の震えが止まらなかった」と話した。
沖縄農業大学卒業後、(父親の)勝吉さんの後継者として畜産経営を担っている恩川さん。「これからの自分の自信につながった。経費削減しながらになるが少しでも高値で売れるように頑張りたい」と意欲を見せた。
2024年購買実績上位の表彰は次の通り。
水迫畜産(鹿児島)▽山口畜産(山形)▽森ファーム(鹿児島・宮崎)▽皇子原肥育牧場(宮崎)▽小田畜産(鹿児島)▽もとぶ牧場(沖縄)▽藤嶺牧場(鹿児島)▽西ノ原牧場(宮崎)▽秋山畜産(静岡)▽永山畜産(宮崎)