「パヤオの日まつり」でマグロ解体ショーに見入る来場者たち =佐良浜漁港内広場

水産物消費拡大をPR パヤオの日まつり開催

 第14回「パヤオの日まつり」(主催・宮古地区パヤオ管理運営委員会)が11日、佐良浜漁港内広場で行われた。新型コロナ感染症の影響で4年ぶりの開催となり、鮮魚や加工品の即売会、マグロ解体ショー、カツオ一本釣り体験、魚すくいなどのイベントを通してパヤオ漁業振興と水産物の消費拡大をピーアールした。式典では釣り大会の表彰が行われた。会場には大勢の市民や観光客らが訪れ、真夏の海のイベントを楽しんだ。
 午前10時から開会式が行われ、同委員会の伊良波宏紀会長(伊良部漁協組合長)が「コロナ禍で4年ぶりの開催となったが、パヤオ発祥の地でまつりがないと一年が始まらない。きょうは伊良部島のおいしい魚を食べ、地元や県外に伝えてほしい」とあいさつ。マグロの取り上げ式で開会を宣言した。
 解体ショーではパヤオで水揚げされた重さ約35㌔のマグロが用意され、大勢の目の前で仲買人の池間正彦さんが鮮やかなプロの包丁さばきを披露。刺し身にして振る舞われ、新鮮なマグロに舌鼓を打っていた。
 カツオ一本釣り体験は、漁港内であらかじめ針に魚を掛けたさおを引き揚げる模擬釣りが行われた。多くの子どもたちが参加し、なかなか揚げられず一本釣りの難しさを体験。魚すくいでは取った分だけ持ち帰れるとあって、子どもたちがいけすの中で必死に魚を追っていた。姉妹で10匹を捕まえた小学生は「唐揚げにして食べる」と喜んでいた。
 ナマコやヒトデなど海の生き物と触れ合うタッチプールや流しモズク、マイナス25度の冷凍庫での「南極体験」、民謡ショーの他、鮮魚や加工品の販売も行われ、会場は家族連れなど大勢の人でにぎわった。
 近く設立を予定している伊良部島・下地島サンゴ礁保全再生地域協議会の準備会はサンゴ礁の生態や保護、課題に関するクイズを行った。同会は伊良部漁協や伊良部島観光協会を中心にサンゴの養殖と植え付けなどの活動を行っていく。設立準備を進めている同漁協青壮年部の小林将部長は「海の環境を守る活動に取り組み、持続可能な漁業を少しずつやっていきたい。海を利用している観光事業者も巻き込んでサンゴ保全につなげたい」と話した。
 パヤオ(浮漁礁)は回遊魚が流木に集まる習性を利用した漁具の一種。1982年に伊良部島沖に初めて設置された。同委員会ではパヤオの秩序ある利用を推進するとともに、パヤオ漁業を振興して漁家経営の安定に資することを目的に「パヤオの日」を制定。イベントの開催や水産物の消費拡大キャンペーン、加工品の展示即売会などを行っている。

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