高付加価値観光地目指す 未来の観光経済を模索 トーク&ワークショップで
沖縄・奄美共同検討委員会が主管し二日間にわたるスペシャルトークイベント&ワークショップ「島に添う。島を継ぐ。」が9日、東仲宗根添のかたあきの里で開催された。宮古島の持続可能な観光経済の実現を目指して、著名なゲストが集結。この日は三部構成で、第一部基調講演では約50年前のフィールドワーク研究から現状と対比。第二部ではその講演内容を深堀りし、第三部では島の伝統芸能を披露した。きょう10日も同所でワークショップが行われる。
このイベントは、観光庁が推進する「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり」の一環として行われ、宮古島の経済を見直し、持続可能な観光経済を実現するためのきっかけ作りを目的としている。
メインファシリテーターを務めた星明彦さん(内閣府沖縄総合事務局運営部長・沖縄総合観光施策推進室長)は、物価や不動産価格の上昇などの課題に対処しながら、持続可能な社会を実現するための議論の場を提供することの重要性を強調した。
その上で「観光や経済社会の質的転換が必要であるとし、宮古島からそのきっかけを作りたい」と述べた。
第一部では、東京大学名誉教授で金城次郎館館長の松井健氏による基調講演「宮古の富」が行われた。約50年前、来間島にて松井氏がフィールドワーク研究をした際の、現地の生活や経済の状況と今の宮古島の観光経済との対比や、これから宮古島の観光経済を世界に発信していくにあたり、どのような形が考えられるのかなどこれまでの研究で得られた知見を発信した。
第二部では日本を代表する海外富裕層向けトップコンシェルジュの阿部佳氏、トップエージェンシーで文化職人振興財団代表理事でTOKI社代表の稲増佑子氏がスペシャルゲストとして招かれた。それぞれの専門知識を生かし、宮古島の観光経済の現状と課題、そして持続可能な未来へのアイデアを共有した。
第三部の伝統芸能「島と舞う。」では、亀浜律子氏や創作エイサー、クイチャーなどを披露。一日を通して宮古島の持続可能な観光経済の実現に向けた具体的な提案やアイデアが共有され、地域社会の課題解決に向け前進する機会となった。