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ミヤコカナヘビ保全の取り組みなどの活動報告が行われた連絡会議 =市役所

ミヤコカナヘビ保全へ 生息地が縮小、断片化 希少種保全連絡会議 対策へ情報共有、意見交す

 2024年度宮古諸島の希少種保全・外来種問題に係る複数の事業関係者による連絡会議が6日、市役所で行われた。宮古諸島の自然環境保全に関わる産官学者らが参加し、情報共有や意見交換した。「生息域内におけるミヤコカナヘビ保全の取り組み」では環境の変化・消失によりミヤコカナヘビの生息状況の悪化の報告があり、絶滅リスクの伊良部島では早急な保全対策が強調された。このほかイタチ対策やクジャク対策の課題などの活動報告もあった。
 同会議では、宮古諸島の自然環境保全に関わる産官学者らが宮古諸島に特有な地史のなかで育まれた陸域生態系の価値と侵略的外来種の脅威を確認するとともに、それを象徴する希少種・天然記念物のミヤコカナヘビの保全と侵略的外来種のイタチ、クジャクなどの調査、対象について情報共有・意見交換を行った。
 行政からの活動報告は環境省や県、宮古島市などが活動を報告。環境省事業委託者の自然環境研究センター上席研究員の髙橋洋生さんは「生息域内におけるミヤコカナヘビ保全の取り組み」で報告した。
 生息状況は、101地点の変化調査でミヤコカナヘビが確認されたのは47地点だという。「生息環境が劣化した地点では個体が確認されにくくなった。直近10年足らずで環境の変化・消失によってカナヘビの生息状況は悪化している」と述べた。
 多くの生息場所は生息地の縮小、断片化が進行し絶滅しやすい状態にあり、安定的な生息地は宮古島の数カ所のみと説明。全体の中では伊良部島と下地島で絶滅リスクがあり、早急に保全対策を取る必要があると強調した。
 保全対策は生息環境を整えカナヘビが増えるのを待つ方法があるが、対策の検証まで時間がかかる。カナヘビを導入して増やす方法では短期間で効果が見込めることから伊良部島で再導入試験を実施する予定だという。3年間で取り組むとしているが快適な環境の維持には草刈り、樹木の剪定など定期的な作業も重要との説明もあった。
 会議では▽県イタチ対策事業の結果及び今後の予定▽市総合博物館における教育普及とその効果▽市環境保全課における業務報告▽伊良部島における外来インドクジャクの根絶に向けた捕獲及びモニタリング手法の検討▽宮古諸島のクジャク対策の課題―などの報告も行われた。

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