感謝状が贈られた酒井さん(前列右から2人目)、宮本さん(同3人目)、三枝さん(同4人目) =平良港湾合同庁舎・会議室

救助者5人に感謝状 中国観光客溺水事故 迅速な対応たたえる

 宮古島海上保安部(喜志多健史部長)は27日、平良港湾合同庁舎で8月31日にシギラビーチで発生した溺水者救助に尽力した酒井大知さん、宮本麻衣さん、三枝瑞葵さん、松本愛さん、牧浦そよさんの5人に感謝状を贈呈した。
 同保安部によると溺水者は、家族と共に観光で訪れていた中国人男性(65歳)で、息子とスノーケリングを始めたがその後、なんらかの原因によりその場で溺れた。異変に気付いた息子が沖に向かって叫び、救助を求めた。 
 マリン系業者の酒井さんは同日午後4時35分ごろ、ツアー案内中に沖の方から「ヘルプミー」と叫んだ声を聞き、すぐさま救急車要請を依頼し、松本さんが119番通報。酒井さんはツアー客らを岸へ戻し、沖へ救助に向かいすぐに溺水者を岸へ引き上げたという。その後、酒井さんと松本さんでCPR(心肺蘇生法)を行い、ホテルスタッフの牧浦さんと宮本さんも参加。溺水者の家族らが日本語を話せなかったため三枝さんが英語で情報収集し、その後、救急隊員に引き継いだ。
 この事故で溺水者は亡くなったが、迅速な救助活動にあたった5人の功績をたたえ感謝状が贈られた。
 酒井さんは「初めての経験。発見当時はすでに意識のない状態だった。なんとかして助けたいという気持ちで最善を尽くした。海は楽しいだけでなく、本当に怖いものなので自身の知識に頼らずツアーに参加することをすすめたい」と語った。
 宮本さんと三枝さんも緊迫した状況下でのCPRなどの過酷さを痛感したという。
 喜志多部長は「宮古島では近年、外国人観光客による海浜事故も散見される。現場に居合わせた皆さまが一致協力および連携し、善意で救助活動にあたったことは大変ありがたく、心より感謝したい」と5人をたたえた。松本さんと牧浦さんは諸事情により欠席した。

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