島の発展へ考察・議論・協働 ICT活用し地方自治学ぶ 北中で公開授業 池間教諭の研究成果
市立教育研究所(下地辰彦所長)による2024年度前期(第24期)長期研究教員の公開授業および研究報告会が10日、北中学校で行われ社会科の池間強志教諭が生徒らに「地方自治と私たち」というテーマで公開授業を行い、研究成果を発表した。市内教職員や市教育委員会から大城裕子教育長らも参観し、学び舎での生徒らへの気づきなど研究成果を確認した。
同研修は、教育課題に焦点を当て、教育の専門家としての資質向上を図るための取り組みを展開。市内の幼・小・中学校教諭が選出され、それぞれの教科や領域における研究テーマを設定し、研究を行うと同時に、実践的な研究を現地校で実施し、その成果を報告書としてまとめ、広く発表されている。
池間教諭は宮古島の持続可能な発展のために必要な政策について、地方自治の考え方を踏まえながら生徒たちが多角的に考察し、表現する力の育成を目指した。
授業では、まず宮古島の現状や課題についてのブレインストーミング(複数人の自由な意見交換で新しい考え方や解決策を見つける手法)から始まり、生徒たちは自らが考える「ずっと住みたい宮古島」のキャッチコピーを作成。このキャッチコピーを実現するために必要な政策を、他者と協働しながら構想する活動が行われた。
生徒らが自身の学習形態や方法を自ら選択し、ICTを活用して他者との協働を深めることを通じて、社会を読み解く力を育成した。
池間教諭は「生徒たちが自分たちの地域について深く考え、実際に政治に参加する意欲を持つことができたら、この授業は成功だと思う」とコメント。生徒の渡口莉音さんは「授業は難しかったが、他の人の意見が参考になった」と感想を述べた。
報告会では池間教諭の半年間の取り組みを大城教育長がねぎらうとともに参観した授業内容をたたえ、激励した。池間教諭をサポートした琉球大学教育学部の北上田源准教授もこれまでの取り組みを振り返り、その成果に助言を送った。
今後、政策の効果やそのために必要な財源の確保方法についても、生徒たち自身で具体的な政策を考察し、その実現に向けて必要な財源の確保について自分なりの考えを発表する場を設ける予定とのこと。