さとうきび管理組合の仲里副組合長(右から2人目)らが仲里工場長(中央)に要請文を手渡した =沖縄製糖宮古工場

沖糖、宮糖に年内操業要請 早期取組みが単収向上 適期の株出管理、春植え可能

 県さとうきび生産法人連絡協議会宮古支部(宮國明雄支部長)、宮古地区さとうきび管理組合(前里孝清組合長)、県農業機械士協議会宮古支部(川満敏支部長)、宮古地区ハーベスター運営協議会(与那覇武会長)が28日、宮古製糖(渡久山和男社長)、沖縄製糖(西平経史社長)に2024・25年期サトウキビ製糖の年内操業を要請した。4団体は「早期操業により適期の株出し管理、適期春植えが可能となり単収向上が見込まれる」と強調。これに両製糖は理解を示し、年内操業へ向けて取り組んでいく姿勢を見せた。
 沖縄製糖宮古工場の要請は同管理組合の仲里長造副組合長が要請文を読み上げ、仲里典和専務取締役工場長らが対応した。
 要請では「近年、作型においては株出栽培面積が6割を超える中、株出しの良し悪しが全体の収穫を左右している状況にある。株出しの単収向上の一番の要因は収穫時期と速やかな株出し管理にあり、収穫時期が早まるほど翌年の株出しの収量が向上する」と述べ、早期操業を求めた。
 また「株出管理や春植えの作業は遅くとも3月中旬まで終えることが単収向上に結びつくと同時に生産者、製糖工場など関連事業者全ての所得向上につながる」と強調した。
 仲里工場長は、サトウキビの生育状況に「4月から7月までは少雨傾向で干ばつぎみだったが、台風3号が接近し8月の雨量で遅れていた株出しの生育は順調にきている」と述べた。一方で「今後の台風が品質に影響するので、その辺りが懸念される」とも話した。
 9月から11月までの3カ月に生育調査を進め、10月からはサトウキビの成熟度を見る生育試験を重ねることで最終的な生産量が確定すると説明し、「現段階では皆さんの要望に応えるように精一杯取り組んでいきたい」と述べた。老朽化した設備の工事を終え、試運転など状況を確認しながら製糖開始を決めていくことになるとの説明もあった。
 懇談では工場の3交代制、それによる人員確保やハーベスターの補助員確保の向けては外国人を受け入れていることなどの話もあった。
 宮古製糖でも同様に要請文を読み上げた。宮糖も年内操業へ向けては前向きな姿勢だという。

関連記事一覧