買入初日、葉たばこを鑑定するJT職員 =平良西里、JT宮古たばこ取扱所(JT西日本原料本部沖縄リーフオフィス提供写真)

葉たばこ買入始まる 宮古・石垣22年産

 宮古・石垣地区の2022年産葉たばこの買入が20日、平良西里の日本たばこ産業(JT)宮古たばこ取扱所で始まった。今年5月の長雨による病害、昨年の廃作募集に伴う生産農家の減少により、10㌃当たり平均重量144㌔(前年実績238㌔)、買入重量459㌧(同1131㌧)が見込まれている。また、初日は農家7戸の買入が行われ、平均で1㌔当たり代金1994円、10㌃当たり重量146㌔、10㌃当たり代金29万2116円。宮古・石垣地区が全国で最初の買入となり、8月5日(12・5日間)まで行われる。
 昨年、JTは全国的なたばこ需要減少により作付け廃止を希望する農家を10年ぶりに募集した。22年産の宮古地区(宮古島市、多良間村)の生産農家は73戸で38戸減少、栽培面積は289㌶で140㌶減少した。10㌃当たり平均重量は当初226㌔を目標としていたが、収穫期の5月の長雨で疫病(ボタモチ病)が発生し、収穫作業も難渋したという。
 県たばこ耕作組合の太田彰組合長は「大雨の被害で収量が減少した。自然には勝てない。疫病で葉が枯れていった。雨が続いて収穫も苦労したので農家には台風よりもダメージが大きい。せめて経営や面積を維持できるようにしたい」と話した。
 午前8時半から同取扱所で開始式が行われ、太田組合長は「心も体も疲れた中で買入初日を迎えた。JTには心も体も癒すような鑑定をお願いしたい。これまでやってきたことは全く変える必要はなく、来年に向けてつなげていきたい」とあいさつ。
 JT西日本原料本部沖縄リーフオフィスの石井三陽所長は「晴れた日がほとんどなく記録的な豪雨もあり、本当に作業する上で苦労の多い年だったと思う。宮古の取り組みには心から感謝と敬意を表したい。きょうから葉たばこ経営者の総決算となる。その上で共に私たちも来年に向けて前に進みたい」と激励。伊川秀樹副市長も「今年は葉たばこ農家にとって非常に厳しい年だった。農家が次年度に向けて改めて経営できるような価格になってほしい」と述べた。
 宮古地区の21年産実績は買入重量が宮古島市954㌧、多良間村54㌧、買入代金が宮古島市20億4000万円、多良間村1億1400万円、10㌃当たり平均重量は宮古島市234㌔、多良間村249㌔。

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