道路沿いに落ちているごみを拾い集める上野小児童ら
=市上野
奉仕美化作業に汗 上野小児童ら活動 「博愛の心」を発揮
上野小学校(與那覇修校長)は12日、「博愛の日」活動として集会と奉仕美化作業を行った。こどもえんの園児や児童らが学校内や周辺集落の道路沿いに落ちているごみやペットボトル、缶などを拾い集めた。
この活動は、1873(明治6)年7月12日に宮国沖で遭難したドイツ商船「ロベルトソン号」の乗組員8人を地元住民が救出し、手厚く介抱したあと無事に帰国させた「博愛の心」を発揮する場として実施。
集会で與那覇校長はロベルトソン号の歴史などを話し、「(学校には)博愛の心の校訓があるが、ロベルトソン号の乗組員を助けたことからきており、思いやりの心や美しい心などを引き継ごうと校訓にしている。きょうは博愛の心を発揮する場なので地域のためにごみ拾い活動に頑張ろう」と呼び掛けた。
児童らは学年に分かれて奉仕美化作業に取り組んだ。こどもえんや1年は花壇、道路、階段の草集めを頑張り、2年は石拾い、砂場の草集めを行った。
3年から6年は学校の周辺集落の道路に落ちているごみを拾って燃えるごみ、ペットボトル、缶に分別して回収した。この日は暑く、児童らは水分補給しながら奉仕美化作業に汗を流していた。
ロベルトソン号乗組員の救出に対してドイツ皇帝ウィルヘルム1世が1976(明治9)年3月、軍艦チクロープ号を宮古まで派遣して感謝の「博愛記念碑」を平良に建てた。うえのドイツ文化村内には「ドイツ商船遭難之地の碑」がある。この人類愛に燃えた先祖の偉業を語り継ぎ、国際社会に生きる豊かな人間性の育成を目指し、救助した7月12日が「博愛の日」とされたという。