壁面に掲示された生徒や職員の「あなたにとって平和って」
=鏡原中体育館
あす「慰霊の日」 戦没者に思いを馳せ冥福祈る 平和集会で恒久平和願う
あす23日は沖縄戦など戦争で犠牲となった戦没者の冥福を祈るとともに恒久平和を願う「慰霊の日」。市内各校では平和週間として平和について考える機会を創出し、児童および生徒らは招かれた講師から戦時中の体験や様子などが語られ、学習することで改めて平和と向き合う。市の全戦没者追悼式および平和記念式は23日午前11時50分から市未来創造センター多目的ホールで行われる。誰でも参加可能となっている。
鏡原中学校では21日、同校体育館で平和集会を開催。沖縄戦時下の宮古島での様子を知り、平和の大切さや命の尊さを考える目的で行われた。市総合博物館の学芸員である寺﨑香織さんを講師に招き、全校生徒125人、職員20人が参加。また、ワークショップでは生徒や職員の平和に対する考えが発表された。
寺﨑さんが「戦争と子どもたち~学童疎開~」と題した紙芝居を通じて、戦時中に九州に疎開した少女セツコさんの実体験を紹介。疎開中の生活や戦争終結後の心境について語り、また、戦時中は同校が野戦病院だったことも語られた。
その後、生徒たちに現在および将来の平和についての考えを投げかけ、生徒からは今の暮らしは平和だと感じる一方で、将来に対しては不安を抱いていることも明かされた。
寺﨑さんは「誰もがそれぞれの戦争を経験したが、これから先は誰もがそういった経験をしないように、それぞれ自分ができることを続けていってほしい」とコメント。その後、郷土芸能部の生徒4人による三線の生演奏に合わせて、「月桃の花」(作詞・作曲=海勢頭豊)を合唱した。
文化専門委員の前川心美さん(2年生)は「講話を受けて戦争の実態や学童疎開の事実を新たに知り、今の平和に感謝し、未来に何ができるかを考える良い機会になった」と感謝の言葉を述べた。