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第1回委員会は都市交通戦略の将来像、課題などを確認した =市役所

都市交通戦略の策定へ 将来像、課題など確認 市総合都市交通検討委 具体的な実施施策示す

 宮古島市総合都市交通検討委員会(委員長・神谷大介琉球大学准教授)の2024年度第1回委員会が11日、市役所2階大ホールで行われた。都市交通マスタープランの短中期に重点的に取り組む施策「都市交通戦略」の策定目的や誰でも効率的に移動できる道路ネットワークなどの将来像および課題について確認。将来像を達成するための課題、具体化した個別施策・施策パッケージ案の内容も確認した。次回の委員会では、この日の内容を踏まえた上で都市交通戦略案について議論を行う。
 座喜味一幸市長は、あいさつで「23年度は都市交通マスタープランの策定を行った。24年度はマスタープランで示された短中期の具体的な戦略を策定する。宮古の現状を踏まえながら課題などを議論してほしい」と述べた。
 都市交通戦略は、都市交通マスタープランを上位計画として地域公共交通計画との整合・連携を図る。同プランのうち短中期(5~10年)に重点的・優先的に取り組むべき施策の具体化を行うため計画の目標年次は2030年度としている。
 都市計画マスタープランの都市づくりの理念や基本方針のもとにした将来像は▽誰でも効率的に移動できる道路ネットワーク▽様々な公共交通機関が連携し利便性の高い公共交通ネットワーク▽環境にやさしく安新安全な交通環境―の3つを設定した。
 それぞれの設定に対する課題の整理も行われた。誰でも効率的に移動できる道路ネットワークは、都市計画道路の未整備区間が残り、交通安全や防災上問題とした。中心市街地へ「歩道や休憩場所が整った歩きたくなるまち」としての魅力の向上も課題に挙がった。
 様々な公共交通機関が連携し利便性の高い公共交通ネットワークは、路線バスの本数が少なく時間が合わず、自動車で自由に移動できるため住民・観光客ともに公共交通が利用されていないことが課題。アンケートでは他バスとの乗継のしやすさと時刻表・路線図などの運行情報案内への不満が多いとの結果が出たという。
 環境にやさしく安心安全な交通環境は、エコアイランド宮古島宣言をしたものの、自動車の通勤・通学が多いことが課題。対応方針では電気自動車の普及、公共交通の乗換の促進を挙げた。
 課題に対する具体的な実施施策は38個で、内訳は「幹線道路ネットワークの構築」が11個、「公共交通ネットワークの構築」が18個、「環境負荷低減(エコアイランド)や交通事故が起きにくい交通環境の実現」が9個となっている。
 都市交通マスタープランは、観光業の発展や高齢化社会、市役所を中心としたまちづくりなど変化に対応するために2040年度の都市の姿を展望し、交通施設整備などハード対策やバス路線の再編などソフト対策を合わせた総合的な都市交通施策の指針を定めるもの。23年度に策定に向けた議論が行われ、24年1月に市に答申があった。24年度は同プランに基づいて都市交通戦略の内容について議論を行う。

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