宮古島市2万5500世帯が一斉停電 午前中、市民らパニックに 信号機、学校事業所が休止
宮古島市内は25日、明け方から昼前にかけて市内2万5500世帯が一斉に停電となった。午前11時40分過ぎに全面復旧したものの、沖縄電力によると故障箇所は特定しているものの現在でも原因は不明。午前中の宮古島では経済が止まり、信号機が止まった交通路など生活、通常業務に支障をきたす事態となり、市民らはパニックに陥った一方で、市民一人ひとりの譲り合いで交通事故は発生しなかった。
市内では午前中、大型スーパーやコンビニエンスストアも営業を休止し、市内の経済が大きな影響を受けた。
西里大通りをはじめ、市内の事業所は入り口のシャッターも開けることができず業務待機をしていた。市内で不動産を営む30代男性は「電気がないと何もできない。特に離島だとこの非常時に改めて分かる」と話した。
市内スーパーの自家発電機を所持する店舗ではパニックに陥った市民らが食品や飲料を買い求め、レジの行列が見られた。
そのうち、平良在住の40代女性は「復旧のめどもないと聞き自販機で飲み物も買えず、たくさん買いに来た」と話し、別の30代女性は「学校が休みになったので娘の昼食を買いに来たがレジを見てならぶのをあきらめた」と帰って行った。
午前11時ごろになると市内各所で徐々に復旧しはじめ、正午になると市民らは元の生活に戻っていった。ファミリーマートなかまつ店では午前7時の一時復旧の際に開けたが、再度停電となったことで午後0時半まで営業を停止したとのこと。
下崎地区に住む60代男性からは「朝9時に屋外スピーカーから何か流れたがほとんど聞こえない。先日の津波警報から何も学んでいないのではないか」との声も聞こえた。
宮古島署によると市内各所には現在約90カ所の信号機が設置されているがほぼ作動せず、数カ所は自動バッテリー駆動が作動したため安全に誘導できた。その上で市と連携し、発電機を借り信号機の早期復旧に努めた。また、市民ら一人ひとりが冷静に安全運転や「譲り合い」を心掛けたことで事故、事件の報告は挙がっていないという。
また、同署から10台以上、各駐在所からもパトカーなどパトロールに出るものも多く、市民の安全な交通に尽力したとのこと。
一方で車通りの多い一般道でも作動しない信号機が多く見られ非常に危険な状態となった。