宮古地下ダムの安全工事模範 宮古労基署 建築事業無災害表彰伝達式 竹中土木九州支店 1年半無労災を徹底
宮古労働基準監督署(井上茂樹署長)は4日、平良下里の平良地方合同庁舎で署管内の「竹中土木九州支店 2022年度宮古伊良部農業水利事業保良地下ダム試験工事」に対し、建設事業無災害表彰の表彰状伝達授与を行った。工事期間に労働災害による休業者が出なかったことを認めるもので同支店作業所の大谷長由所長が表彰状を受け取り喜びと謝意を示した。同社沖縄営業所の有水久宗所長も同席した。
建設事業無災害表彰は労働者災害補償保険の保険料の額が160万円以上かつ着工から竣(しゅん)工までの全工期を通して業務上の災害が発生しなかった工事現場を厚生労働省および労働基準局長が表彰するもの。
同工事は2022年7月15日から23年12月31日までの1年6カ月間、延べ4114人の作業員が現場で作業を行い、一人も労働災害による休業がなかったことが評価された。同社の地下ダム工事は4度目で大谷所長が携わるのは3度目となる。
表彰を受け大谷所長は「非常に厳しい工事だったが、同署の指導や発注者ならびに職員、協力会社が一致団結し事業推進した結果が無災害の竣工を迎えることができた。大変名誉のある表彰に感謝したい」と喜んだ。
安全工事竣工の秘けつとしては日々の安全確認とルール推進に加え、「亜熱帯地域であることから一番気を配ったのは熱中症対策。特に休憩所の冷房完備や飲料水などの常備徹底だった」を挙げ、重機の揚重作業の監視員の徹底も無災害につながったとのこと。また、今後も続く地下ダム工事の安全な工期竣工を願った。
井上署長は宮古地域の災害発生状況について「過去24年間で10件が、この1年間で3件の死亡災害が起こったことは由々しき事態であり、災害防止のためには日々の基本的な安全ルールを守り、守らせること以上に効果的なことはない」と語った。
その上で同工事のこれまでの労をねぎらい、労働基準行政への理解と協力に感謝し、「宮古地域のライフラインである地下ダム工事という特殊な作業が求められたが、無事に無災害で竣工されたことに深く感謝したい」と述べ、今後の工事現場の安全第一を求めた。