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各委員長から審査報告を受けて最終採決を行った市議会 =市役所市議会本会議場

来間校舎譲渡案を否決 市議会最終本会議 地域協働体制が不明瞭 上野出張所移転は継続審査

 宮古島市議会(平良敏夫議長)は27日、3月定例会最終本会議を開き、全57議案に対する常任委員会での審査結果報告を受けて最終採決に挑んだ。市長提案議案のうち上野出張所移転に係る2議案は総務財政委員会での審査を継続することが決まり、来間小中学校舎の無償譲渡案は文教社会委員会に続いて本会議でも否決された。市議会の同意を得られず特例の任期延長措置で運営を行ってきた市農業委員の任命同意案は全会一致で議会通過した。
 市議会3月定例会最終日となる27日は、本会議場において議会上程された全議案への討論と本会議採決が行われた。422億円超の計上で過去2番目の高額編成となった新年度予算をはじめとする予算議案は全会一致で原案可決された。
 総務財政委員会で審査された上野出張所移転については「市と自治会との協議を見守る必要があることから、議会閉会中も同委員会による慎重審査を要する」とした委員会の意見が認められ、移転に関連する2議案は市議会預かりとして継続審査となったことで、即時移転は見送られる。
 来間小中学校舎無償譲渡案は文教社会委員会での評決で否決され、本会議での最終判断が注目された。同議案の委員会審査では、「地域との協働事業であるという担保がない」との意見や、「市民の財産を事業予算などに不安がある民間事業者に無償譲渡するのは時期尚早だ」との声が相次いだ。
 議案への賛否討論に先立ち、山下誠議員から「同議案が否決されると旧校舎利活用に前向きな事業者と地域の意欲を減退させる可能性があるので、同議案は文社委での再審査が適当」だとして継続審査の動議が提出されたが、再審査への議会賛同は得られず、議事は討論へ移った。
 無償譲渡に反対の立場から「行政財産の無償譲渡には、綿密な事業計画が必要であるという議会意思をしっかりと示した上で、地域と事業者による再度の協働提案を待つことが賢明」だとした狩俣政作議員に対し、下地茜議員は「文社委で十分な審査が行われたとは言えない」と表し、「地域が望む旧校利活用を議会が拒否の姿勢を示すことは地域住民へ与える影響が大きい」と無償譲渡への賛同を示した。
 議案に対する賛否が分かれたことで最終判断は議員採決に委ねられた。採決拒否の意思を示した3議員が議場を退席した後に行われた本会議採決では賛成7に対し反対12となり校舎無償譲渡は見送られた。

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