上野出張所移転案は再見送り 総務財政委 省エネ補助LEDのみ
市議会総務財政委員会(下地茜委員長)は22日、委員会を開き表決を先送りしていた上野出張所移転関連の3議案、再生可能エネルギー特別会計の新年度予算案に加えて、19日に追加議案として市議会に上程された2024年度一般会計補正予算案について審査を行った。市から「出張所移転について上野自治会と協議を行ったが移転に賛同は得られなかった」との説明を受け、同委員会では移転関連2議案を継続審査とした。ほか3議案は原案可決。
上野出張所移転に向けて市は16日に開催された上野自治会定例会に参加して意見交換を行った。
市は「旧庁舎は産業振興拠点として活用し、出張所は公民館との一体運営により行政サービス機能強化が図られる」と訴えたが、同自治会は「産業振興の観点だけでなく、上野地域の歴史的な経緯を尊重してほしい」として、改めて移転反対を表明したと経緯を説明。
総財委員から「旧庁舎を地産地消振興センターに改装した上で、出張所を併設することは可能か」と問われ、市は「可能ではあるが多くの人が行き交う空間での出張所業務となることへの懸念や、スペース確保などで入居事業者との調整が必要となる」とした。委員会では「もう少し市と自治会の協議を見守りたい」との意見が多く、表決を再度見送り市議会閉会中も継続審査することとなった。
再生可能エネルギー特会
で議論となっていた省エネ家電買換え補助事業については、「補助対象家電をLED照明機器のみとし、購入額の半額補助(上限3万円)を行う」と大幅な設計変更を示したことで可決。
総財委員が発した「市の譲歩姿勢を評価する」などの意見からは、委員会での審査基準が「電力消費量の多い旧型エアコン、照明機器の買い換えを促進することで市民とともに島内電力消費の低減を目指す」とした市の方針に適うか否かという判断に基づく委員の賛同であるかに疑問が生じる。
追加議案となった西辺中校舎改築事業も全会一致で可決されたが、予算書には同改築工事が市債、基金繰入、一般財源で執行すると記されており、市は補助金に頼らない工事の方針。
本紙が市教委に確認を求めたところ、「補助金が入るのが25年度となるため24年度事業は2億円の基金繰入で対応する」とし、「認識不足による債務負担行為の消滅が要因」との説明に至った。
債務負担行為が継続されていれば基金繰入がなくても事業実施できたのではないかとの疑問の声があるものの、委員会質疑でこの疑問点が問われることはなかった。