死亡災害防止対策の徹底を 宮古労基署「1年に3件、由々しき事態」
宮古労働基準監督署(井上茂樹署長)は、2023年4月から3件の死亡災害が発生していることに危機感を持って労働災害防止に努めていくことが求められるとして8日、建設業労働災害防止協会県支部宮古分会(平良正樹分会長)など4団体に「死亡災害防止対策の徹底」の緊急要請を行った。井上署長は「当署管内の死亡災害は過去24年間で10件だが、この1年で3件発生する由々しき事態となっている」と述べ、フォークリフトなどを用いた作業の場合は原則として立入禁止を徹底するとともに、あらかじめ作業計画を定めることなどを呼びかけた。
緊急要請は、建設業労働災害防止協会県支部宮古分会、県労働基準協会宮古支部(渡真利勝支部長)、港湾貨物運送事業労働災害防止協会沖縄総支部宮古支部(砂川勝義支部長)、陸上貨物運送事業労働災害防止協会県支部宮古分会(城間正昭分会長)の4団体に行った。
井上署長は「当署管内で死亡災害が複数発生する由々しき事態となっており、3人の尊い命が失われている。これらの労働災害は基本的な安全管理の取り組みが徹底されておらず、安全衛生管理体制がおろそかになっている状況が懸念される」と述べた。具体的な労働災害防止対策では「高所で足場を組み立てる作業では命綱を使用するなどを徹底し、墜落防止に努めてほしい」と呼びかけた。
3件の死亡災害については▽コンテナの荷下ろし作業中にフォークリフトの後方で巻き込まれた▽ヤード内でサトウキビの運搬作業していたトラクタ・ショベルの後進中に巻き込まれた▽鉄筋コンクリート造家屋建築工事の足場作業中に墜落した―と説明。
これらの労働災害防止に向けては、フォークリフトや車両系建設機械等を用いて作業を行う場合の立入禁止の徹底。高所作業を行う場合には原則として墜落防止のための足場や手すりを設置するとともに、設置することが困難なときはハーネスなど要求性能墜落制止用器具を必ず使用させることを求めた。
渡真利支部長は「全体的な問題なので、これ以上災害のないように取り組んでいきたい」と述べた。建設業労働災害防止協会県支部宮古分会の親泊秀人事務局長は「安全パトロールしているがなかなか浸透しない部分もあり、今回の要請になったと思う。今後も三大災害(墜落・転落など)の防止対策を徹底していきたい」と語った。