宮古3高校で卒業式 5類移行後で初の開催
市内3高等学校の卒業式が1日、一斉に行われ、宮古高校227人、総合実業高校120人、工業高校50人の計397人が学び舎を巣立った。卒業生は中学から学生時代を新型コロナウイルスにより制限されてきたが、昨年5月に5類移行とったことでさまざまな制限が解除され、この1年間は楽しい学校生活を歩むことができた。この日は雨模様だったが在校生や保護者らが花道で盛大に祝福するなど、華やかな旅立ちの日を迎えた。
●宮古高校
宮古高校(松原芳和校長)の「第76回卒業式」は、午前9時半から体育館で行われた。教職員や保護者らが見守る中、松原校長が普通科160人、理数科67人の計227人に卒業証書を授与。受け取った卒業生は勉強やスポーツなどに頑張った学び舎に別れを告げ、新たな一歩を踏み出した。
式辞で松原校長は、コロナ禍で入学し、3年間頑張ってきた卒業生を祝福。「皆さんは本校で学んだこと、身につけたことに自信と誇りを持ち、夢と希望を胸に巣立ってほしい」と述べ、新たなステージを踏み出すはなむけの言葉として「感謝の気持ちを忘れないこと」「グルーバルな視点にたって、生涯にわたり主体的に学び続けること」、「高い志を持って、自らの可能性に挑戦すること」を送った。
友利正治PTA会長は「皆さんの未来は無限大。夢を持ち、そこに向かっていくつかの目標を作り、達成に向けて努力を重ねてほしい」と期待を込めた。
在校生代表の浜川紫晏生徒会長は、学校行事などで支えてくれたことに感謝し「進学や就職で不安になることもあると思うが、自信を持って突き進んでほしい」と送辞を述べた。
卒業生代表で答辞を述べた渡真利崚さん、下地ハイネさんは授業や部活動などを振り返り、「宮古高校で得た多くの思い出を人生の糧として、誇りを胸に持ち、力強く生きていきたい」と語った。
式終了後、花道を通った卒業生には後輩や保護者らが花束など贈り、祝う姿が見られた。
●宮古総合実業高校
宮古総合実業高校(千葉直史校長)の卒業式は午前9時半から同校体育館で行われた。海洋科学科、生物生産科、食と環境科、生活福祉科、商業科の総勢120人が恩師や父母、家族らに見守られながら、3年間過ごした学び舎を後にした。
式辞で千葉校長は卒業生が中学から高校の最も楽しい時期に制限された学校生活を送ってきたことを振り返り、「今回の卒業式は新型コロナウイルスが5類に移行して初めて迎える式となった。高校最後の1年間は思い出をいっぱい残すことができた」と述べ、「皆さんは本日をもって高校を卒業し、社会に羽ばたく。これまでの学びは今後の人生に大いに役立つでしょう。社会の急速な変化に負けないようそれぞれの人生を豊かにするための学びを続けてほしい」と言葉を贈った。
卒業生を代表して海洋科学科の平良一喜さん、生物生産科の小澤里星さん、食と環境科の国仲勇人さん、生活福祉科の羽地香晴さん、商業科の佐久田穂奈美さんが答辞でそれぞれ高校生活を振り返り、「私たちは今、これまでの出会いに言い尽くせないほどの感謝と、これからの出会いに少しの不安と大きな期待を抱きながら、この学び舎に別れを告げ、それぞれの決めた道を歩み始めようとしている。今後、大きな壁にぶつかったとしてもここで得た学びや誇り、思い出を人生の糧として前へ進んでいけると信じている」と述べ謝意を示した。
式終了後、卒業生たちは中庭に作られた花道を通り、父母たちから祝福されながら学び舎を巣立った。
●宮古工業高校
宮古工業高校(真喜屋強史校長)の第52回卒業式が1日、同校武道場で行われた。卒業生50人を代表して生活情報科の勝連杏音さんが答辞で3年間の思い出や両親、恩師への感謝を述べた。最後は卒業生全員で上着を放り投げ、学び舎を旅立った。
卒業生らは恩師や保護者らが見守る中、真喜屋校長から「おめでとう」の言葉とともに卒業証書を受け取った。在校生も温かい拍手で先輩達の新しい門出を祝う中、卒業証書授与の際に「お父さんお母さんありがとう!」と感謝の気持ちを叫ぶ生徒もいた。
真喜屋校長は式辞として「この人生の節目にあたり、お世話になった方々へ素直に感謝の気持ちを伝えてもらいたい。これから皆さんは『予測不可能の時代』に社会に出る。人生は順風満帆ではないので、いかなる試練にも押しつぶされず乗り越えていく忍耐力でこれからの人生を歩んでほしい」と述べ、卒業生の洋々たる前途を祈念した。
池間秀樹PTA会長は「輝かしい未来へ向けて心身共に豊かな人間に成長してほしい」と祝辞を送り、在校代表の波平拓真さん(2年)も「尊敬する先輩達のようにさまざまなことに挑戦し、宮古工業の歴史と伝統を引き継いでいきます」と送辞を読んだ。
卒業生答辞は生活情報科の勝連杏音さんが務め「先生方をはじめ、多くの方々のご指導のおかげで卒業式を迎えられた」と感謝の意を示し、高校生活の思い出を振り返りながら「これまで支えてくれた方々の期待と感謝を胸に羽ばたいていきます。3年間ありがとう!」と伝えた。
最後は生活情報科の島袋加奈さんのピアノ伴奏、自動車機械システム科の平良玄汰さんの指揮のもと、RADWIMPSの「正解」を卒業生全員で歌い、式を締めくくった。