島の環境保全へ協力 民間活動などに人材提供
宮古島海上保安部(福本拓也部長)と宮古島市女性団体連絡協議会(猪子立子会長)は26日、各種イベントやボランティア活動などで連携、協力を推進する「包括連携協定」を結んだ。同保安部の民間団体との包括連携協定は初めて。この協定により、海保は民間レベルの環境保全活動などに人材を出すことで地域住民との交流促進を期待。女性団体連絡協は「人手が足りず、地域住民の高齢化により追いつかない砂浜など清掃活動を海保職員らと行うことで島の環境、活性化につなげていきたい」としている。
包括連携協定書締結式は、平良港湾合同庁舎1階会議室で行われ、福本部長と猪子会長が協定書に署名した。
協定締結を提案した猪子会長は「全国でも一番きれいな宮古島の海にペットボトルが流されるなどのごみ問題があるが、清掃活動は人手が足りず地域のみなさんの高齢化でなかなか追いついていない。その中で海保の職員、特に若い力を借りた清掃活動の取り組みを提案した」と話した。
福本部長は「海保の業務は島の安全を守ることと尖閣警備など業務が多様化している。一方、職場が海上なので住民の目につきにくいところがある。(大きな組織になっているなか)この島でいろんな協力ができるのではないかと思っていたところ、女性団体連絡協から声をかけていただいた」と歓迎した。
今後については「これまで市や観光協会のイベントに参加してきたが、女性団体連絡協には10団体が所属していると聞いており、個々団体から声をかけていただくことで島のイベントに参加するフィールドを広げていきたい」と語った。
保安部の職員は現在、250人と大規模になっている。職員の増加により島の人口増や一定の経済効果も生んでいるとしている。
今回の協定締結の効果としては▽地元住民の保安部に対する認知度・理解度の向上▽民間レベルの環境保全活動への協力、地域に密着したさまざまなイベントに人材を出すことで住民との交流促進▽若手職員が住民との交流を通じ、社会人・組織人としての成長に期待―を挙げる。