連携深め海難事故者救助へ 消防・海保 今年度3回目の合同訓練
市消防本部宮古島消防署(古謝博由署長)は20日、同本部2階大ホールで宮古島海上保安部(福本拓也部長)と合同救急訓練を行った。市消防本部救助隊、海上保安部巡視船はりみずの乗組員ら28人が参加。バイタル測定や溺水・心疾患・外傷者を想定した救助訓練などを行い、両組織の連携と能力向上を図った。両組織は消防などに関する業務提携を2017年に結んでおり、同様の訓練は年4回(海域2回、陸域2回)行われている。今回は今年度3回目の実施となった。
バイタルは「脈拍(心拍)」「呼吸」「血圧」「体温」の4つを指し、バイタルを測定する目的は患者の状態が正常値・基準値から逸脱していないか、前回の測定値と比べてどの程度変化したかを確認すること。
同日午後1時に訓練開始式が執り行われ、古謝署長は「業務提携の合同訓練で情報・技術の共有を図り、さまざまな現場で両組織の連携を強化につなげてほしい。海難事故者に対する迅速な救助を行うため現場での連携を深めて」とあいさつし、激励の言葉を述べた。
まず行われたのは観察要領・バイタル測定に関する座学。同署工作救助隊の奥平大地副隊長が講師を務め、人体の呼吸や血圧を測ることは視覚・聴覚など五感で判断可能だと伝えた。
その後、前川尚彦工作救助隊長の指揮のもと6班に分かれそれぞれのグループで実技訓練が行われた。合同訓練で救急をテーマとして行われるのは初だといい、海上保安部からの要望を受けこの日実現した。
合同訓練は宮古島海上保安部・市消防保安部との消防などに関する業務提携に基づく合同訓練を実施し、海難救助における巡視船はりみずと市消防本部救助隊との連携および能力の向上を図ることが目的。また、要救助者が負傷していることを想定し救急における知識・技術の習得を身につけることもねらいとしている。