宮良会長(中央)は文化長官表彰受賞の報告に座喜味市長と大城教育長を訪ねた =市役所応接室

文化長官表彰受賞を報告 来訪神行事の保存継承などで

 文化振興に貢献した人や団体の功績をたたえる文化長官表彰が19日、京都府京都市内のホテルで行われ、島尻パーントゥの保存に対し多大な寄与が認められ、その功績から受賞した島尻自治会の宮良保会長は27日、市役所に受賞報告のため座喜味一幸市長と大城裕子教育長を訪ね、受賞するまでの経緯や喜びを語った。座喜味市長、大城教育長はその功績をたたえ、今後の活動に期待を寄せた。今年度は県から計4人が選出され、宮古島出身でミャークフツ(宮古方言)シンガーソングライターの下地イサムさんも選出されている。
 宮良会長は、1989年に同自治会に入会し、2011年には自治会長に就任して今年で13年目を迎える。18年に「来訪神行事保存・振興全国協議会」へ加入し、理事に就任した。
 今年、協議会活動や自治会長として長年にわたり、宮古島の伝統祭祀(さいし)であり来訪神の重要無形文化財であるパーントゥ保存において多大な寄与をしていることを同協議会が推薦した。
 文化庁は長年にわたりパーントゥはじめ、全国の来訪神行事の適切な保存、伝承に尽力し、国の文化財保存に多大な貢献をしていることを認めたため今回の表彰の運びとなった。
 宮良会長は「この表彰は私だけのものでなく、集落の皆さんや座喜味市長をはじめ、関係者の皆さんを代表して受け取ったものと思っている」と喜びを語った。
 座喜味市長は「今回の表彰は宮古の誇りでもある。宮良さんの長年の大きな活動の成果が認められたのだと思う。島尻のパーントゥの形を維持しながら継承し、後継者をつくり、部落一体となり無形文化財を守っていってほしい」とたたえ、今後の活躍に期待を寄せた。
 大城教育長は「長年にわたって努め、地域の伝統行事を継承していくのは大変なことだと思う。また、他の地域の来訪神行事の取り組みなども参考にし、島尻のパーントゥを後世に残してほしい」と話した。
 同表彰は日本で優れた文化活動を行った人を対象に文化庁から授与され、これまでに多くの歌舞伎役者など著名人が授与されている。
 今年は歌手の下地イサムさんもミャークフツの威信を向上し、継承に尽力し、国の国語施策の推進に多大な貢献をしていることなどが評価され表彰されている。

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