署名活動への考えを示す下地氏 =ホテルアトールエメラルド宮古島

辺野古移設、県と国の対話必要 下地幹郎氏 「県民投票」3万人の署名活動

 前衆院議員で伊良部大橋実現に向け奔走した無所属創造代表の下地幹郎氏が8日、市内下里のホテルで会見。県民を二分してきた米軍普天間飛行場の辺野古移設問題に終止符を打つために玉城デニー知事の辞任とその後の知事選挙を行った上での県民投票の実施を求める署名活動についての考えを示し、「裁判で争っている県と国の対話の環境をつくるためには、最高裁判決後の県民の民意の結果をもって協議の場を設けるべきだ」と強調。辺野古移設の代執行判決が出る今月20日前までに3万人の署名を集め、玉城知事に提出する予定。宮古地区では3千人を目標に署名活動を行う。

宮古島説明会で下地氏の考えを聞く参加者


 下地氏は「玉城知事は1坪たりとも埋め立てはさせない、軟弱地盤は絶対に工事をさせないことを公約にしているが、現状では東京ドームの8個分が埋め立てられている。(今月20日の)代執行裁判が結審し、法律や現実的にみても公約の根拠を失う。政治にとって公約は命であり、公約のない政治はない」と述べた。
 さらに「あと3年、公約を果たせない知事が行政のトップとして役割を果たせるのか」と疑問を呈し、県民の尊厳が失われるような国の対応が続くことを放置せず責任を果たすためにも自ら辞任する政治決断を求めている。
 署名で玉城知事に求めるのは▽最高裁判決を真摯(し)に受け止める▽知事を即刻辞任し、民意を明確にするための知事選挙を行うことを代執行訴訟の判決が出る前に明言する▽知事選挙後、どの候補が勝利しても県民投票を行い知事選挙で示された民意を確実に裏付ける▽どの政党も知事選挙の結果、県民投票の結果を尊重し、沖縄が一つになって国と向き合い協議を行う―ことの4項目。
 県民投票では辺野古移設の「賛成」「反対」に加え、「新しい提案」の三つの選択肢を示すべきだという考えを示した。県知事選挙が実施される場合は出馬する意向を示し、三つの選択肢では「(新しい)第3提案の準備をしている」と述べ、県知事選挙が決定した段階で提案していく考えも示した。
 説明を終えた那覇や石垣については「手応えがある。1カ月で3万人の数字は無謀に近い。説得する時間が短く数を集めるためには物理的には大変だが、達成した場合は県民の中に(知事辞任を求める)風が起きているということになる」と述べた。
 同日午後6時半からは支持者らを対象にした宮古島説明会を行った。会見で示した考えを述べ、署名活動への協力を呼びかけた。
 また、▽花いっぱい沖縄▽教育費完全無償化▽那覇から本部町までの高速鉄道▽離島航空運賃5千円・船運賃1千円▽離島高速インターネット回線▽久米島超高速船▽低所得を徹底支援▽規制緩和・民間活力―の政策についても説明した。

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