特別委の調査結果報告書は14対9の賛成多数で原案可決された =市議会本会議場

市議会12月定例会が開会 農業委調査特別委、調査結果を市議会へ報告

 宮古島市議会第4回定例会(平良敏夫議長)が5日に開会。座喜味一幸市長は一般会計補正14億8821万円を含む補正予算案9件、条例案8件、議決議案12件と同意案1件の合計30件を市議会へ上程。続いて農業委員会委員候補選考に対する調査特別委員会(富浜靖雄委員長)から提出された調査結果報告書の委員長報告が行われ、質疑と採決を経て同報告書は議会承認された。
 一般会計補正で歳入歳出額は408億円となるが、直近2年の12月補正後の歳入歳出額がともに420億円であるのに比べると今年度予算は低調に映る。
 近年は減少傾向にある生活保護扶助費だが、医療扶助費を中心に約2億7千万円の補正増があり、さらに今年度の財政調整基金の繰出合計が18億円超に対して繰入は4億円弱にとどまるなど将来財政への不安要素は増している。また、保守系3会派が市長に年内給付を要請した低所得世帯向けの給付支援に対応した補正措置はなく、現時点で年内給付の見通しは不透明だ。
 9月定例会で廃案となり注目された農業委員の選任同意案の再上程はなく、今定例会に追加上程がなければ特例延長という異例状態の長期化が発生する。
 一方で農業委員の選考過程の公平性・透明性を検証してきた調査特別委員会は5日の本会議で富浜委員長による調査結果報告を行った。
 報告では「農業委は事務処理要領に則って正当な候補者評価と選考を行い市長に報告。報告後に市長部局が同要領を把握せずに変更したこと」が問題の原因だとし、「現行規則では選考結果の変更は認められていない」「選任根拠を『市長固有の権限』とする主張からは公平性・透明性を見出せない」と結論付けた。
 討論に入り我如古三雄議員が「報告書は的確な指摘が記された妥当なもの」と賛同。新里匠議員は「市長の選考基準に『公平性・透明性はない』という意見は委員会の総意である。この一点だけでも市長部局の行為は否定されるべきだ」との賛成討論を行った。
 反対討論に立った下地茜議員は「評価委の選考結果に拘束されるとする根拠不足。市顧問弁護士の意見が反映されずに県農業会議の意見に偏っている。選考には市と農業委の密な連携と調整が必要」だと主張し、長崎富雄議員は「市長部局のみに問題があるとしたい野党案」だと反対を表明したが、反対への議員同調は広がらず同報告書は賛成多数で原案可決となった。
 特別委の報告書が議会承認されたことで、事態収束は市長がどのような選任を再上程するかが鍵となる。定例会の会期は19日まで。

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