招聘に応じ公平性説明 市長「裁量範囲内で適正」 農業委調査特別委
市議会の第7回農業委員会委員候補選考に対する調査特別委員会(富浜靖雄委員長)が21日、市役所全員協議会室で行われた。今回は特別委から初めて招聘(しょうへい)された座喜味一幸市長が出席し、農業委員の選考課程に対する委員からの質疑に応じ、市当局と農業委員会の間にある法解釈の相違についての見解を示した。
農業委員選考にあたって市当局と農業委員会の間で法解釈の相違が平行線をたどるなかで、特別委が県農業会議に法解釈を依頼し、同会議が全国農業会議所や農業法政を所管する農林水産省への確認のうえで「市長による告示後の内容変更は選考基準の統一性・公正性のうえで望ましくない」とした回答への意見を聞かれ、座喜味市長は「同会議の『望ましくない』というのはそれとして、市長裁量でどこまで変更できるかを調べたうえで、市長裁量の範囲内だとして適正に行った」と答弁。
農業委が「市長が個人名をあげて変更を指示したので市長の恣(し)意性を感じた」との発言については「農業行政の課題解決に向けた客観的な判断に基づくものであり、『恣意的』という表現にはあたらない」と説明した。
農業委が市長らとの面談の際に「市長からの圧力を感じた」と発言したことを問われた座喜味市長は「パワハラに関しては社会的に重要な問題であり、普段から職員が仕事のできやすい環境整備に留意しながら行政運営にあたっている」としたうえで「協議においては侃侃諤諤(かんかんがくがく)な議論も必要」だとの考えを示し「決して圧力ではない」とした。
農業委の選考案に対して市長はどのような感想を持ったかとの問いに「評価委の審査結果は候補者のなかで点数差が大きく発生していることをみて、評価委において『感情的な』評価があったのではないかと感じた」と市長が応答。さらに委員から「評価委で評価点数が最下位であった候補者を、市長が支持して中立委に選任している」と問われ、市長は「中立候補者の方を行政チャンネル等で見て、今後の農政運営にとって『有効な戦力』になるだろうと考えていたこともあり、同者の評価点数の低さに違和感を覚えた」とした。
農業委員を選出できないという前例のない異常事態の打開策として「市長は農業委案を議会上程する考えはないか」と委員に問われ、座喜味市長は「農業行政の課題解決のためには農業委の結果を『追認』するのは妥当ではない」とし「早期の議会承認を求めていく」と回答した。
特別委はこれまでの議論をもとに報告書作成に向かう。次回開催は30日。