272頭が販売された11月期肉用牛セリ市 =19日、JA宮古家畜市場

平均価格、前月より上昇 11月期牛セリ

 JAおきなわ宮古地区本部(下地誠本部長)の2023年11月期肉用牛セリ市が19日、平良山中のJA宮古家畜セリ市場で行われた、月齢12カ月以内の子牛は272頭(98%)が販売され、1頭当たりの平均価格は45万308円で前月比3万978円高となった。価格は5カ月連続の40万円台で回復の兆しは見えないが、農家からは「少し上がった感じだが、エサ代や肥料代が高止まりで経営的に厳しい」などの声が聞こえた。
 成牛を含めた販売額は1億2248万円。子牛価格の内訳は去勢が49万964円で前月比2万6634円高、牝は38万6640円で前月比3万4136円高となった。
 1頭当たりの最高価格は去勢が78万7600円、牝が88万7700円。平均体重は去勢が288㌔、牝が264㌔で平均275㌔。成牛1頭当たりの平均価格は16万3319円で前月比1万4814円安となった。
 全国的に牛肉の需要は回復せず在庫の動きが鈍い状況にあり、飼料価格の高止まりが続いているため価格低迷となっている。その中で宮古家畜市場の11月期セリ市の子牛の平均価格は前月より上昇した。例年、年末は上昇傾向になることから12月期の高値取引に期待がかかる。
 JA宮古地区畜産振興センターは「年末は少し安定すると思うが、(購買者は)先行きは見通しがつかないと言っている」と依然、厳しい状況が続く見通しを語った。
 セリ市に上場した上野の農家は「エサ代、肥料代が高止まりでコストが高くなっており非常に厳しい」と顔を曇らせ、「今は我慢し、母牛の血統をいいのに変えていく時期である」と話した。
 平良の農家は「エサ代も肥料代も上がっており、経営はマイナス。市と農協には協力して経営を助けるために補助的なものをしてもらいたい」と要望。城辺の農家は「コロナ以降ずっと厳しく、赤字で大変。廃業する農家もだいぶ出てきている」と話した。

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