宮古島市提案の脱炭素グリッドのイメージ図 =環境省提供

市が脱炭素先行地域に 環境省選定 県内では2自治体目

 【那覇支局】環境省は7日、電力消費に伴う二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにするモデル「脱炭素先行地域」の第4回選定結果を発表し、宮古島市を選定した。県内では与那原町以来、2例目で離島自治体では初めて。宮古島市は「『千年先の、未来へ。』脱炭素エコアイランド宮古島」をスローガンに脱炭素に向けた提案が評価された。選定を受けたことで、宮古島市は脱炭素の推進のために国から約5年間にわたり、継続的、包括的な支援として交付金が支給される。取り組みは2025年度からの開始を予定している。
 環境省は30年度までにカーボンニュートラルの実現を目指すと同時に地域の魅力と暮らしの質を向上させ、全国のモデルとなる脱炭素先行地域について9月に募集し、54提案の中から宮古島市を含む12件(1県12市町)を選定した。脱炭素先行地域とは、30年度までに民生部門(家庭、業務やその他部門)の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現するとともに運輸部門や熱利用なども含め、温室効果ガス排出削減について国全体の30年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域。これまでに74件選定されている。
 宮古島市は沖縄電力や宮古島未来エネルギーらと共同で、地域マイクログリッド(小規模電力網)と脱炭素の施設間連携モデルを提案した。取り組みの全体像として、来間島での「地域マイクログリッド構築支援事業」(経済産業省)の実証成果を発展させ、来間島を含む下地と狩俣地区を対象(住宅1757戸、民間施設297カ所、公共施設28カ所、1万2430㌔㍗)に太陽光発電・蓄電池やEV、省エネ機器、蓄熱冷凍冷蔵設備を最大限導入し、EMS(エネルギー・マネジメント・システム)による電力需要量のエネマネを行う「脱炭素グリッド」を構築。エリアの区域境界において潮流観測を行い、グリッド内の分散型電源にリアルタイムで充放電指令を出してエリア内の再エネ地産地消を実現するとしている。
 宮古島市は脱炭素グリッドを核に「エコアイランド宮古島」をさらに進化させ、成長する観光業と共存する形で持続可能性の向上や郊外農漁村地域の活性化を実現するとしている。

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