防火防災意識の高揚を 消防人のつどい開催
第32回沖縄県消防人のつどい(主催・県消防長会)が26日、マティダ市民劇場で開催された。県内各地から消防関係者が一堂に集い、防火防災意識の高揚、消防力の充実強化や災害の防止に向けて団結を固め、融和協調の輪を広げた。県消防職員意見発表会も行われ、業務を通じて感じたことから取り組むべき課題や提案などを行った。今回は沖縄本土復帰50周年を記念しており、宮古島での開催は旧平良市以来26年ぶり。
式典では開催地を代表して座喜味一幸市長(代読)が「皆さんが日ごろから地域住民の安全安心な生活を守るため防災の最前線に立ち、消防行政への強い使命感のもと献身的に尽力していることに深く敬意を表したい。消防人のつどいが実り多いものとなり、より質の高い消防行政、地域の安心安全が推進されることを期待している」と歓迎の言葉を述べた。
県消防長会の照屋雅浩会長が「歴史ある消防人のつどいを県下消防職・団員が一致団結する礎として大切に継承したい。消防車両や資器材は高度化する一方で消防団員数は全国的に減少傾向が続いている。きょうは消防を取り巻くさまざまな環境や課題、求められている使命について意見交換する機会。沖縄消防の未来のため、ともに頑張っていくことを誓いたい」とあいさつした。
県消防協会の久高清美会長が「今後発生が予想される大規模災害を想定した場合、離島県の沖縄では応援体制にも時間を要し、一刻を争う救急業務や災害現場の活動は消防職員と団員の連携強化が不可欠。沖縄の消防団員数は他府県の10分の1の状況に、増強を図るには消防団を理解することが大切であり、消防、各市町村全体で取り組むべき課題」と述べた。
消防職員意見発表大会には各地の消防職員5人が登壇。このうち那覇市消防局の知花俊甫さんは救急車の適正利用に向け、医療機関までの搬送に特化した特別搬送救急隊の設置を提案。救急隊が緊急性が低いと判断した傷病者を引き継ぐことが主な業務になり「救急隊の全体出動時間を減らせる。本当に救急車を必要としている人に一刻も早く、一人でも多くの命を救うためにも必要」と主張した。