眺望点の再検討を 景観審議会が答申 南部海岸地域ホテル計画
市景観審議会(池田孝之会長)は24日、宮古島市(座喜味一幸市長)から諮問のあった景観区域内行為を届け出た市内のホテル計画について審議した結果、景観計画ガイドラインに基づき、建築物の高さ、配置、形態の工夫および十分な緑地の確保について「再検討を求める」と答申した。庄司優副会長が市役所に座喜味市長を訪ね、意見を付して文書を提出した。
諮問されているのは市内の南部海岸地域に現在建設計画中のホテル。
答申の付帯意見では、建物の高さについては現計画では48㍍としており、市景観計画ガイドラインで定める高さ基準13㍍と比べ、約4倍の超過で集落地からの眺望および広域的、多角的に見て水平線の眺望を阻害しないよう求めた。
形態と位置については現在、分棟方式を採用し建物の圧迫感を軽減させる一定の効果は認められるものの、前面道路からの壁面後退距離を十分に確保し、その効果が発揮される再計画を求めた。
また、現計画ではゴルフコースを含めた緑地率を算定しているが、既存のコースを含めるのは同ガイドラインから望ましくなく、市民や観光客が往来する公道からの圧迫感を軽減する高木などの植栽配置で十分な緑地の確保を求めた。
今後の事業計画の検討については、高さ13㍍以下とする定量的基準を設けた原則を順守してほしいとし、さらに同ガイドラインに沿った史跡や文化財を含めた見晴らしの良い「眺望点」の追加を付帯した。
庄司副会長は「認められないばかりでなく、どういう基準を満たせば同意できるのかという状況を示さないと計画している企業も困ることから、これまで審議会を2度開催した」と経緯を説明した。
その上で「これまでの審議会の中で特例として認めたことはなく、ガイドラインに沿って『敷地内や建築物を緑化し、緑地の確保、今ある景観と調和した配置、形態、意匠の工夫がされているかなど』を審議し、認めた経緯がある。眺望点の再検討を行い、不特定多数の市民、観光客のみならず周辺住民の目線を含めた南部海岸地域景観ゾーンの在り方を考える必要がある。今後とも宮古島の風土となれる景観形成に共に努力したい」と述べた。