価格回復兆し見えず 4カ月連続40万円台 10月期牛セリ
JAおきなわ宮古地区本部(下地誠本部長)の2023年10月期肉用牛セリ市が18日、平良山中のJA宮古家畜市場で行われた。月齢12カ月以内の子牛は296頭(99%)が販売され、1頭当たりの平均価格は41万9330円で前年同月比10万6843円安、前月比8676円安となり、今年度の最安値を更新した。全国的な牛の増頭に対して牛肉需要が回復せず、4カ月連続の40万円台と価格回復の兆しが見えない状況にある。
成牛を含めた販売額は1億3千万円。子牛価格の内訳は去勢が46万4894円で前年同月比11万159円安、前月比8883円安、牝は35万2504円で前年同月比10万2174円安、前月比8900円高となった。1頭当たりの最高価格は去勢が75万9千円、牝が105万500円。平均体重は去勢が284㌔、牝が263㌔で計276㌔。成牛一頭当たりの平均価格は17万8133円で前年同月比9万5898円安、前月比5万1324円高となった。
全国的に子牛の生産頭数は増加傾向にあるものの、牛肉需要は回復せず在庫の動きが鈍い状況にあり、飼料価格の高止まりも続いているため価格低迷が続いている。例年なら年末に向けて価格が上昇傾向となる時期だが、先行きは不透明だという。
この日、セリ市に上場した農家からは「経営的には赤字。子牛が高かったころの蓄えも牛舎の改築などでなくなっている。市場は上下するものだと分かっているが、今は下がってばかりで明るい兆しが見えない。これからますます厳しくなると思う」「系統が良く、どんなに体重を乗せてきても期待した価格が取れない。今の価格では経営が厳しい」などの声が聞かれた。
肥育農家も厳しい状況に変わりなく、ある購買者は「枝肉は増えても国内消費が戻らない。需給バランスが崩れている。飼料代の支払いが増加しており、その分は子牛の購入を減らさないとならない」と話した。