模擬投票で選挙体験 伊良部島小中で出前授業
県および市選挙管理委員会は12日、伊良部島小中学校で選挙出前授業を行った。小学6年生と3年後には有権者となる中学3年生を対象に模擬選挙が行われ、児童生徒たちは選挙の制度や仕組みなどを学び、候補者の選び方から投・開票まで一連の選挙の流れを体験した。選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられたことを踏まえ、将来的な投票率の上昇に向け、選挙や政治を自分事として捉えて将来参画してもらおうと行われた。
県選管の金城粒里さんが「皆さんが投票できる年齢はもう少し先だが、いざ選挙になったとき『誰に投票すればいいか分からない』ということがないように選挙に行く準備」と授業の趣旨を説明。参議院選挙の投票率が20~30代が低く、60~70代が高い例を示し「候補者は若者向けの公約を出しても見向きもされないなら、高齢者向けの公約の方に行ってしまうかもしれない」と話した。
模擬選挙では架空の立候補者の演説を聞き、児童生徒たちに自分が候補者なら地域の何が課題でどんな解決方法があるか考えてもらった。金城さんは「選挙は私たちの代わりに大事なことを決める代表者を選ぶために行う。みんなの1票は意思表示としてとても大切な1票」と呼び掛けた。
会場には本物の投票箱や投票記載台などが設置され、児童生徒たちは投票所入場券を見せて投票用紙を受け取り、投票用紙に候補者の名前を書いて投票した。投票用紙集計機を使った開票作業も行われた。
生徒会長の亀山祐太朗さんが「実際に選挙の一連の流れを体験することで想像しやすくなった。3年後、選挙権をもらえるので選挙に積極的に参加できれば」と感想を述べた。
同校中学部の名城歩教頭は「『自分一人ぐらい選挙に行かなくてもいいんじゃないか』という人も多いと思うが、一人一人自分の意思を表示して社会に関わっていくことを理解してほしい。授業を通して選挙や政治を自分事として捉えてもらえれば」と話した。
市選管の仲間正人委員長は「大人が選挙に行くのを見ているだろうが、こうした機会を持つことで選挙への関心が高まれば」、市明るい選挙推進協議会の前川尚誼会長は「少しでも選挙を認識してもらえば大人になったときに違うと思う。子どもたちの関心が高まることに期待したい」とそれぞれ話した。