「サシバの森」植樹、育林 三菱地所、伊良部島小中と
伊良部長浜の「サシバの森」で5日、三菱地所と伊良部島小中学校5年生が育林や植樹を行った。昨年、植樹した場所で伸び放題の雑草などを刈り取り、新たにリュウキュウマツなどの苗を植えていた。サシバの森は「寒露」のころに宮古へ渡ってくるサシバが安心して羽根を休められる場所を作ろうと宮古島市から市有地の提供を受けて造成に取り組んでいる。
日本自然保護協会と宮古野鳥の会が事務局を務めるサシバの森協議会では、伊良部野球場西側などで「サシバの森」造成に取り組んでおり、昨年は市有地約900平方㍍でテリハボクなどの植樹を実施。今回は隣接する600平方㍍にリュウキュウマツ、アカテツ、クロヨナの苗300本を植えた他、昨年植樹した場所の育林として雑草・木の下刈りなどを行った。
三菱地所は昨年に続いてサスティナビリティツアーとして50人が来島。市環境保全課の与那覇弘樹課長が「宮古島市の市鳥でもあるサシバが、今後もこの島を中継地として安心して飛来できる環境づくりのため、昨年に引き続き三菱地所、日本自然保護協会などの支援、協力でこうした取り組みを実施してもらい感謝している」とあいさつ。
同社の参加者たちは暑さの中、鎌を手に伸び放題の雑草の刈取りやギンネムの除去に汗を流した。同社空港事業部の脇坂知宏さんは「環境に優しい空港を目指しており、周辺の環境づくりも大切。伊良部島小中との作業は2019年以来。一緒にできたことが何よりも良かった。この木が10年後、サシバが帰ってくる場所になれば。この活動を続けたい」と話した。
伊良部島小中は地元の自然環境を学ぶ総合的な学習として参加。児童たちは苗木をていねいに植え、土を被せていた。同校の佐久本聡校長は「自然保護について学んでいる。この子たちが将来の宮古を背負っていく。いろんな体験をすることで関心が高まっていくと思う」と話していた。