「議員の行為から逸脱」 無許可工事で副市長 友利光徳氏・一般質問
友利光徳氏は22日行われた市議会一般質問で、粟国恒広氏の指示で行われた農道無許可工事に対する市の対処方針や見解をただした。市は修繕に国の補助金を活用したい考えで、水産庁の査定が入るまで現状維持を求めていたもの。一方、粟国氏は迅速な対応が必要と主張し、「応急措置」として工事を強行した。市に対して地域住民からの嘆願書は提出されていないという。嘉数登副市長は「議員の行為から逸脱している」と示した。
現場は平良久貝の護岸沿いにある農道。5月末に宮古島に接近した台風2号で護岸が破損し、波の浸食により道路内の地盤が流出していた。粟国氏が「応急措置」を施した後も、市は通行止めを継続している。
友利氏は「道路の修繕について市に嘆願はあったのか。また公共物に無許可で工事を加える権利を持つ人はいるのか」と質問。石川博幸農林水産部長は「台風2号通過後の6月2日から現在まで、久貝自治会から市に対する嘆願書は提出されていない。過去に市に許可を得ずに工事した事例は確認できないが、そもそも、公共物に無許可で工事ができる者は存在しないと考えている」と述べた。
水産庁の査定は7日に行われた。関係者以外立ち入り禁止の現場に粟国氏が訪れたため、午前10時の開始予定がいったん中止となった。市は再三にわたり自重を求めていたという。
業務妨害ではないかと問う友利氏に、石川部長は「市議が現場を訪れたことにより、査定時間の変更を余儀なくされたことは事実。威力業務妨害に該当するかどうかは、弁護士に確認したい」と話した。
嘉数副市長は「『公私混同』とは『公のことと私事をきちんと区別せずに扱うこと』とされている。議会議員は公人であり、私的な事情で公務に影響を及ぼすことはあってはならないこと考えている」と厳しい姿勢を示した。
嘉数副市長はその上で「仮に地域から嘆願があったとしても、公共物に無許可かつ公然と工事を施工したことを正当化するものではない。市から事前に中止要請があったことを考えると、議会議員として求められる行為からは逸脱している。市民からの反響もあり今後の行政運営に与える影響は小さいとは考えられず、非常に残念」と述べた。