下地信男氏

農業委員選定で論戦 市議会一般質問 下地信男氏

 市議会9月定例会一般質問で20日、下地信男氏が農業委員会の委員選定基準について当局と論戦を交わした。定例会には同委員選任に関する同意案17件が提出されているが、評価委員会での点数と座喜味一幸市長が選定した候補者が食い違っていることなどを問題視したもの。座喜味市長は「農地行政を迅速に進めるため総合的に判断した」と答弁した一方、下地氏は「選考の透明性や公平性が損なわれている」と糾弾した。

座喜味一幸市長


 定員17人の農業委員に38人から応募があったため、農業委員会が評価委員会を開き候補者を選定。要綱では17人の内訳で平良地域5人、中立1人と定められているが、議会に提案されている同意案では平良4人、中立2人となっている。評価点の低い人が選ばれている例も数件あるほか、過半数が必要とされている認定農業者は8人しか選ばれていない。
 農業委員会の上地明弘事務局長は、市長の権限に属する事務の一部を農業委員会会長に委任する規則があることを紹介。その上で「任命過程における公正性・透明性を確保するため、市長から任命された評価委員6人で選考基準に基づき合議により候補者を決定し、市長に報告した」と述べた。
 下地氏は「農業委員会に事務処理を委任したにもかかわらず、委員会が定めた要領を変更した根拠は何か。市長のやっていることは越権行為だ」と糾弾。
 嘉数登副市長は「評価委員からの報告を受けて、市長が総合的に判断している。募集から選任にかかる事務の一部を農業委員会に委任しているのであり、任命自体の権限は市長に属している」と説明。
 座喜味市長は「点数をつけたものが最終的な決定という極めて事務的な判断ではない女性や若者の積極的な登用など、農地行政をスピーディーに進めるという観点から、最終的に総合的な判断をした」と述べた。
 下地氏は7日に本会議場で行われた議案質疑で、石川博幸農林水産部長が「評価点数が高い方がより適正である」と答弁していることを指摘。「評価委員会が客観的に点数をつけた結果を尊重しなければいけない。公平にやったことが市長にねじ曲げられると、行政の信頼を損ねかねない。選考の透明性が失われている」と指摘した。

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