市、県内最高の変動率 23年県地価調査
【那覇支局】県企画部は19日、2023年7月1日時点の沖縄県地価調査結果を発表した。宮古島市の商業地最高価格は平良西里根間246番(筑登之屋)の1平方㍍16万2000円で変動率は11・7%だった。住宅地(11地点)の平均変動率17・7%、商業地(3地点)の平均変動率12・6%は県内1位の伸び率だった。調査は、県全域41市町村に定めた基準地284地点を対象に実施。宮古島市は商業地3地点、住宅地11地点の14地点、多良間村は住宅地2地点。全16地点のうち、上昇14地点、横ばい2地点、減少はゼロと宮古の今後への期待感から上昇が目立った。
商業地では平良字下里大嶺356番61外の高位変動率19・0%(9万4000円)が県内1位となり、平良字西里根間246番の同11・7%(16万2000円)も同5位の上昇率を記録した。
商業地について国土鑑定センターの仲本徹代表幹事は「3地点とも上昇し、伸び幅も大幅に拡大している。観光需要が強く、特に外資の参入が目立つ。外資が来るとインパクトが強く、周辺で店舗需要が高まる。西里通りは非常に観光客も多く、高めの賃料設定でも入居がある。下里地区は元々の単価が低く、値頃感があり、周辺の開発に伴う需要が増えたことで強めの上昇率になった」と分析した。
宮古島の住宅地最高価格は3年連続で平良字久貝ムイ原852番9となり、価格は4万2800円で変動率は17・3%となった。また、住宅地の高位変動率で2位に伊良部字国仲屋敷90番の28・0%(1万6千円)、平良字西里アラバ1537番3の23・2%(1万7500円)が3位、城辺字保良村内507番の23・1%(7880円)が4位、伊良部字池間添下桃山219番の21・1%(1万1500円)が5位となり、県内上位5地点中四つを宮古島市が占めた。
住宅地について仲本代表幹事は「昨年の10・9%から17・7%と上昇率を拡大させた。コロナが落ち着き、収束感と安心感から、島外からの流入が法人、個人問わず継続し、島外者を中心に高値での取引がみられる。また、躊躇(ちゅうちょ)していた地元住民の住宅取得も活発化している」と分析。その上で「平良を中心に上野や城辺などの周辺地域でも県外者に限らず、一戸建ての分譲が売れていることから地価の上昇がみられた」と説明した。
多良間村の最高価格は44年連続で字塩川吉川里122番地の6900円で変動率はゼロで横ばいだった。
県全体の住宅地や商業地、工業地などを含む全用途(林地除く)平均変動率は4・9%上昇し、前年の2・7%よりも上昇率は拡大した。上昇は10年連続。商業地は前年比2・9ポイント増の4・8%だった。上昇地点は同27地点増の73地点。住宅地は同2・2ポイント増の4・9%上昇。上昇地点は同23地点増の162地点。
県内の商業地最高価格は、33年連続で那覇市久茂地交差点近くの松山1丁目1番4で、変動率4・1%で127万円だった。住宅地は7年連続で那覇市天久2丁目11番9となり、変動率0・9%の33万3000円だった。