認知症に関する劇で会場を盛り上げる劇団ぴん座(奥) =17日、市保健センター

心身と歯を健康に 認知症予防を呼び掛け 宮古地区医師会

 宮古地区医師会(竹井太会長)は17日、市保健センターで、「島で育む認知症~他人事から自分事に~」と題したイベントを開催。21日の「世界アルツハイマーデー」にちなんだもので、宮古島市や劇団ぴん座、宮古地区歯科医師会(波平篤樹会長)などさまざまな関係者が協力し、劇やパネル展などさまざまな催しを実施した。講話を行った竹井会長と波平会長は、心身や歯を健康に保つことで認知症予防に取り組もうと呼びかけた。
 宮古地区の医師会・歯科医師会・薬剤師会は協働して、命の安全を守る活動を展開しており、認知症イベントはその一環。21日のアルツハイマーデーを中心に9月は世界的な月間と定められており、認知症を学び支えるためにさまざまな取り組みが実施される。
 竹井会長は2050年に日本の総人口が1億人を割り込むとともに、高齢者の28%に当たる1016万人が認知症患者となると推計されていることを紹介。「日本の人口の1割が認知症ということになる。共生と予防を中心に考えていくことが大切」と述べた。
 また竹井会長は認知症にはさまざまな原因があり、そのうち4割は脳卒中に起因するものなど予防できるものと説明。「生活習慣の改善で防げる認知症も多い。禁煙や適度な飲酒、運動に取り組み、活発な社会生活で気持ちを明るくするなど、心身を健康に保つことで40%は防ぐことができる」と説いた。その上で「市が実施している健康診断を受けて自分の状態を知り、医師に相談してほしい。地域を上げて予防の徹底に努め、日本一健康な島を目指そう」と呼びかけた。
 波平会長は「食べることは生きること」と題して講話。「食事を楽しむこと、よくかむことは脳の活性化に直結している。年を取ったから歯が抜けるわけではなく、むし歯も歯周病も生活習慣で予防することができる。定期的に歯医者に通い、健康のために上手に活用してほしい」と訴えた。
 劇団ぴん座は「今日の笑顔にかんぱい」との題で、認知症患者とその家族を取り囲む日常についてユーモアを交えながら熱演。会場は笑いの渦と、考え込む沈黙に包まれた。認知症介護指導者などを務める羽地克也さんが、若年性を含む認知症患者の家族支援制度について紹介した。

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