利用者数が減少しているループバス =今年7月14日

1日平均利用者ほぼ半減 ループバス8月実績

 観光地や宿泊施設などを循環して結ぶ宮古島ループバスの実証運行を行っている総合商社の双日によると、観光繁忙期の8月の利用者数(乗降客数)は5068人で前年同月比31・3%、2312人減少、1日当たり平均利用者数は173人で48・4%、162人減少した。台風接近に伴う運休もあったが、運行本数の減少などを要因に挙げている。観光客回復に伴い順調に実績を伸ばしてきたが自走化に向けて課題となりそうだ。
 2023年度実証運行は7月14日から始まり、北小前を起点に島の南西方面を通って東平安名崎を折り返すルートで行われている。7月14~31日の利用者数は3104人で一日当たり平均利用者数は172人(前年度は7月の運行なし)。7月から8月の累計では利用者数8172人、1日当たり平均利用者数は174人。利用者が最も多かった停留所は宮古空港で次いで北小前、ホットクロスサンタモニカ前、東平安名崎、イオンタウン南店。時間帯別では下りが午後1時45分の694人、上りは午後4時20分の1360人が最も多かった。
 減少の主な理由として▽前年度夏ダイヤに比べて運行本数の減少▽レンタカー供給増加―などを挙げている。台風では完全運休が2日間、部分運休が2日間あった。
 同社では「今年度の目的は今後の自走化につなげることなので、引き続き利用者数を増やす取り組みを行う一方で収益性を高めるよう来年1月末までの運行を進めていきたい」と話している。
 ループバスは観光客の受入体制強化を踏まえたバス交通の利便性向上などに関する調査を目的に、市が委託した双日、中央交通バス、宮古協栄バス、八千代バス・タクシーが運行する。今年度はルートを一部変更して新城海岸を経由し、市街地の停留所を3カ所増やした。25年度には補助金に頼らず民間で運行する自走化を目指している。
 22年度(8月10日~2月28日)は新型コロナの行動制限解除による観光客の増加に伴うレンタカー不足などから利用者数は6万4286人、1日当たりの平均利用者数は323人で前年度の約3倍に増加した。

関連記事一覧