指定管理者を公募しているうえのドイツ文化村 =上野宮国

市が指定管理募集開始 ドイツ文化村 売却へ合意形成目指す

 宮古島市(座喜味一幸市長)はこのほど、うえのドイツ文化村の指定管理者公募を開始した。施設の維持が財政的負担になっていたため売却する方針だったが、地域住民の反対を受けて保留したことによるもの。2024年度から新たな契約を結ぶと同時に、住民との合意形成を目指し取り組みを進める。
 ドイツ村の敷地面積は12万3431平方㍍。宿泊施設の博愛パレス館、展示・研修に使われるキンダーハウスや博愛記念館などさまざまな施設を有する。パレス館は老朽化や台風被害により、長らく閉鎖されたまま。
 指定管理者制度は市が保有する施設の運営に民間活力を導入し、利活用促進や財政負担軽減につなげることなどを目指す制度。事業者は公募で選定され、契約を結ぶ前に議会の承認を得ることが必要。
 宮古島市が管理者と結ぶ協定では、10万円以上の修繕費は市が負担することが原則。老朽化した施設の場合は、市が保有し続けることが市民負担につながるとして、議会から指定管理ではなく売却を求められることもある。また収益を上げて市に使用料が納められる施設もあるが、ドイツ村の場合は年間1800万円を上限に市が委託料を支払うことになっている。
 市はドイツ村を売却する方針だったが、地域住民を対象に開いた説明会で強く反対されたという。強行すると禍根を残すとして、24年度から3年契約の管理者を公募することに決定した。ただし住民との合意形成を目指す取り組みは継続し、売却が成立した場合には契約を途中で打ち切るとの規定を協約に盛り込む方針。

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