市民保護で支援要望 座喜味市長、官房長官と意見交換
座喜味一幸市長は23日に市役所で、宮古島市を訪れた松野博一官房長官と面会し、有事の際の住民保護について意見を交わした。座喜味市長は総合体育館建て替えに伴う地下避難施設整備と、宮古空港の機能拡張について国の支援を求め、要望書を官房長官に手渡した。また面会後、官房長官とともに平良港国際クルーズ拠点を視察した。松野氏の訪問は1泊2日の予定だったが、北朝鮮が人工衛星発射を通知したため日帰りに短縮された。
座喜味市長は「宮古島市は有人国境離島として、領海などの保全に関する活動の拠点機能を有している」と説明。「わが国の安全保障環境が不安定化している中、住民の安全確保は重要な課題」として、国の支援を要請した。
老朽化している市総合体育館については「国の支援を想定した上で、国際大会などが開催可能な機能を有するとともに、国民の生命を守る緊急避難場所として地下施設の整備も行いたい」と述べた。
その上で、地下施設整備には多額の費用がかかるとして、「離島であるため建築資材や輸送費が高額となる実情を踏まえ、補助率のかさ上げなど格別の支援を願いたい」とした。
宮古空港については、観光客の増加に伴い当初の想定需要を大幅に上回っていると紹介。▽平行誘導路の設置▽駐機スポットの増設▽貨物取扱施設の拡張―といった機能強化に向けた支援を求めた。
会談は非公開で行われたが、冒頭で松野官房長官は北朝鮮の「人工衛星」発射予告に対する自衛隊の配備状況などを紹介。市長に対して、「情勢に対する認識を共有し、市民への情報提供や避難行動呼びかけに協力してほしい」と述べた。
座喜味市長はクルーズ拠点視察後に、市役所で記者団に対応。「基本的に前向きな答えを頂いたと思う。持ち帰って各省庁と調整連携し進めていくとのことだった」と振り返った。クルーズ拠点視察については「台風時にも品薄になるが、緊急事態では人と物の大規模な輸送が必要になる。大きなテーマとして、平良港機能拡充を検討頂けると思う」と述べた。
松野官房長官は24日に伊良皆光夫多良間村長とも会談する予定だったが、北朝鮮の衛星発射予告を受けて日帰りで帰京した。