値引きされたキーツマンゴーを求める市民や観光客 =平良西里のあたらす市場

2店舗でマンゴー特売 欠航で島外出荷できず

 長引く台風6号の影響で宮古島市への貨物入荷も止まっているが、島内で生産された農作物なども出荷できない状況が続いている。宮古を代表する夏の特産品であるマンゴーも、飛行機の相次ぐ欠航で大規模な滞貨が発生。平良西里のJAファーマーズマーケットあたらす市場と、同久貝の島の駅みやこの2店舗は、生産農家を支援するためにマンゴーの特売を実施。島内での消費を少しでも拡大しようと努めている。
●あたらす市場 キーツ1000円引き
 あたらす市場では現在、キーツマンゴーを1000円引きで販売している。島外への出荷が滞っている中、JAが扱うマンゴーの販売先は同市場に限られているという。市場では4日、贈り物やお土産のために通常より多く買い求める市民や観光客の姿があった。同市場職員は「ぜひ市民の皆さまにも購入してほしい」と呼びかけていた。
 平良西里のJA集出荷場では同日、キーツの仕分け作業が行われていた。職員は「キーツはアーウィンに比べて日持ちするが、出荷できずにやきもきしている」と述べる。青果用と加工用では買い取り金額も変わってしまうが、「ゼロになるよりは、と加工用の値段で良いので引き取ってほしいと持ち込む農家の方もいた」と話した。
 通常より多くの入荷を引き受けたあたらす市場では、キーツの特売を実施している。例年島外への贈答用に購入しているという市民は「数日待てば食べごろになって、飛行機も飛ぶと思う。多めに買って少しでも農家の皆さんに貢献できるといい」と話し、真剣な表情で品定めしていた。
 愛知県から来たという観光客は「高級品のマンゴーがどうしてこんなに安いのだろうと不思議だった。身内には買いすぎだと少しあきれられているが、せっかくの機会なのでたくさん持って帰りたい」と述べた。

●島の駅 生産者応援コーナー設置

生産者応援コーナーでマンゴーを選ぶ買い物客=平良久貝、島の駅みやこ


 パラダイスプラン(西里長治社長)が運営する平良久貝の島の駅みやこでは「生産者応援!特売コーナー」を3カ所設置して食べごろマンゴーを特価で販売。地元住民や観光客が訪れて買い求めていた。7日までを予定しており、売り切れ次第終了する。
 同店ではこの季節恒例の「マンゴー共和国」を開催しており、これまで順調に活況を呈してきたが宮古島で主力品種のアーウィン種の終盤、大玉のキーツ種が最盛期に入ろうとしたところで台風6号が接近。航空便の欠航で配送ができない状況が続いている。
 台風で施設のビニールに被害を受けたという平良松原の農家は「7月末に収穫したキーツが配送できず困っている。いつ出せるか分からない」と頭を抱えていた。平良鏡原の生産農家は「配送できず注文を断っている状態。量的にはもう少なく、7月のピーク時ではなかったのは良かった。値段を少し下げて売っている。少しでも多く売れてほしい」と話していた。
 同店青果担当の米田隆己さんは「台風2号を乗り越えて7月までは良かったが一転した。今年は8月に入ってもアーウィンが多く、来週にはキーツがピークを迎える。値段を安くして販売しているので地元の人や観光客に食べてもらいたい」と呼び掛けた。店内のパーラーではすぐに食べられるカットサービス(有料)も行っている。

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