粟國さんに長官感謝状伝達 海上安全指導員で活躍
宮古島市で長年、海上安全指導員として活躍している粟國将一郎さんはこのほど、海上保安庁長官から感謝状が贈られた。宮古島海上保安部(福本拓也部長)は20日、平良港湾合同庁舎で、粟國さんに賞状を伝達。粟國さんは「海難事故に遭わないよう安全には十分気をつけてほしい」と呼びかけた。また市内における海難救助や同部のスタンドアップパドル(SUP)検証などに協力した市民8人に対し、福本部長から感謝状が贈られた。
保安庁長官や保安部長感謝状は、7月17日の「海の日」にちなんで贈られた。毎年7月の第三月曜日に定められている国民の祝日で、「海の恩恵に感謝するとともに海洋国日本の繁栄を願う」日。
海難防止に協力した功績で長官表彰を受けた粟國さんは、1998年に海上安全指導員に指定された。3月末現在で通算152回の安全パトロールや船舶指導などを行うなど、25年以上にわたり宮古島の海の安全を守る活動を続けている。
粟國さんは「感謝状は素直にうれしく思う。海難事故のたびに捜索活動などを行ってきたが、胸が痛むことも多い。風や波の状況をよく見極めて、『海に入らない勇気』が大切だと思う」と事故防止を訴えた。
部長感謝状は海難救助に協力した4人と、SUP検証に協力した4人の計8人に贈られた。検証は、近年事故が多発しているSUPの操作や海流の影響などを確かめるために行われた。
平井裕渉さん、八ッ橋義弘さん、上地航大さんの3人は、6月10日に、来間島北東の岩場にいたSUP遭難者の救助に協力。長田翼さんは同月17日、伊良部島のサバウツガーで、海底に仰向けで沈んでいる人の救助に協力した。
SUP検証に協力したのは、関谷周作さん、長濱健治さん、平良雅弘さん、仲宗根隼人さんの4人。検証資機材の提供や付近海域の警戒、安全安心に検証を行うためのバックアップなどに取り組んだ。
福本部長は「宮古ブルーの美しい海は島内外の人々の心をひきつけてやまないが、毎日のようにマリンスポーツに伴う事故が発生している。広大なリーフに囲まれる周辺海域を保安部だけで守ることは限界があり、我々を補完してくださる皆様の献身に改めて敬意を表する」とたたえた。