海神祭で漁港に活況 航海安全と豊漁願う
旧暦5月4日の「ユッカヌヒー」に当たる21日、宮古島市各地の漁港で海神祭(ハーリー)が開催された。ここ数年はコロナ禍のため神事のみなどに縮小されていたが、久松や佐良浜では4年ぶりの通常開催でさまざまな催しを実施。佐良浜の海神祭には多数の来賓が出席したほか、パレードや児童生徒の演舞、「オオバンマイ」など、地域住民が一丸となって盛大に祝福。漁港は活況に包まれ、1年間の航海安全と大漁を願った。
佐良浜漁港の式典には、市や県からも多数の来賓が出席。伊良部漁業協同組合の伊良波宏紀組合長は、「4年ぶりにコロナ禍前の規模で盛大に海神祭を祝えることをうれしく思う。佐良浜は沖縄県のカツオ漁を担っている。これからも地域のみなさんと一体となって、漁業の町を盛り上げていきたい」と話した。
嘉数登副市長が、座喜味一幸市長のあいさつを代読。「市の第一次産業を支える一大拠点の佐良浜で、百年を超える伝統行事が盛大に行われることに敬意を表する。コロナ前以上の活気を取り戻すためにも、佐良浜がますます発展し、市全体に波及することを大いに期待する」と述べた。
上地廣敏宮古島市議会議長は「ことしは空梅雨で農作物には大変厳しい状況。
佐良浜ハーリーを機に、陸にあっては五穀豊穣、海にあっては豊漁の一年となることを願う」と話した。また、尖閣諸島問題に触れ「外交努力によって危険が取り除かれることが、皆さんの豊かな暮らしにつながる」と語った。
横断幕を掲げ賑やかに三線を奏でながら、式典出席者全員で漁港から大主神社までを練り歩いた。パレードの後、佐良浜保育所の園児や結の橋学園の3~9年生、婦人会や老人クラブなど多くの地域住民が多彩な演舞を披露。力強い太鼓の音や元気いっぱいの掛け声が港に響き渡った。
池間添と前里添の対抗戦や職域レースなど、御願バーリー以外にもさまざまな競争が行われた。大人は港の外までサバニを漕いだが、伊良部島小中学校の児童生徒は漁港内で実施。小学5・6年生は体験会、中学生はレース形式で競い合った。各漁船は大漁旗で鮮やかに飾り付けられ、出店も多数出店。地元住民や見物客で大いに盛り上がりを見せた海神祭となった。