総会後、優績農家を表彰する荷川取組合長(右)ら =JAおきなわ宮古地区本部大ホール

生産基盤の強化むけ 和牛改組総代会、23年度事業計画など承認

 宮古和牛改良組合(荷川取広明組合長)の通常総代会が15日、JAおきなわ宮古地区本部大ホールで行われ、2023年度事業計画など全議案を承認した。今年度は飼料価格高騰など厳しい状況が続くと予想されることから、生産基盤の強化に向け、後継者の育成や繁殖牛2割増頭運動、分娩間隔短縮などに取り組む。観光客の増加やクルーズ船の寄港再開で入域者の往来が活発化しているため伝染病侵入リスクを意識した防疫対策の徹底にも努めていく。
 荷川取組合長は「セリ市場は枝肉相場の低調な推移などで厳しい状況にある。宮古では農家戸数やセリ上場頭数の減少が懸念され、課題解決に向けた取り組みが必須。今後も世界情勢等の影響を受けて飼料価格の高騰が続くと予想されることから、粗飼料を中心とした良質な牛づくりや増頭などに組合員一丸となって頑張っていこう」とあいさつ。
 22年度は国内の牛肉消費が減少し、枝肉相場は年間通して低調な取引となり、飼料価格や燃料代などの生産コストが増大した。宮古・多良間家畜市場の子牛販売頭数は5302頭で前年度比21頭減少、販売額は31億1千万円で5億6400万円減少した。1頭当たりの平均販売価格は58万6千円。
 昨年11月の県畜産共進会では新設された高等登録群で農林水産大臣賞等を受賞した他、宮古島市が2年連続の団体賞に輝いた。10月に開催された全国和牛能力共進会鹿児島大会に県代表として4大会ぶりに宮古地区から第4区繁殖雌牛群に3頭が出品して1等1席だった。
 23年度事業計画は観光客の増加やクルーズ船寄港再開などで入域者の往来が増えている状況に対し、海外悪性伝染病侵入のリスクを認識して防疫対策の徹底に努め、繁殖牛2割増頭運動の推進や計画交配の徹底、育種価に基づく改良の推進、子牛死亡事故防止のための講習会の開催などに取り組んでいく。
 表彰者は次の通り。カッコ内は支部。
 【優良子牛生産奨励賞】4月=中西卓哉(城辺)▽5月=西里恵俊(同)▽6月=大海(上野)▽7月=大城元(平良)▽8月=南島牧場(同)▽9月=大城元(同)▽10月=福里正広(城辺)▽11月=荷川取広明(下地)▽12月=福里正広(城辺)▽1月=垣花隆明(多良間)▽2月=来間フミ(下地)▽3月=川平盛雄(城辺)
 【優良母牛繁殖奨励賞】西里昌貴(平良)▽川田栄作(同)▽高原康治(城辺)▽本永博義(同)▽大海(上野)▽砂川健治(下地)▽浜川淳士郎(伊良部)▽東風平正明(多良間)▽屋嘉比達佳(多良間)
 【特別奨励賞】砂川健治(下地)※県畜産共進会農林水産大臣賞▽荷川取広明(下地)宮国光雄(城辺)浜川淳士郎(伊良部)※全国和牛能力共進会繁殖雌牛群(3頭1群)

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