スローガンを指差し呼称する参加者ら =未来創造センター多目的ホール

労働災害ゼロに決意 安全週間に向け大会

 7月1日から始まる全国安全週間に向けて、2023年度宮古安全大会(主催・沖縄県労働基準協会宮古支部など)が13日、未来創造センターで開かれた。同週間の実効性を高めるため、6月が準備月間と定められていることにちなむもの。4年ぶりの対面開催で集まった事業者・労働者らは、今年度のスローガン「高める意識と安全行動 築こうみんなのゼロ災職場」を指差し呼称し、すべての職場で労働災害ゼロを目指し取り組むことを誓った。
 全国安全週間は1928年初めて実施され、ことしで96回目を迎える。人命尊重という基本理念の下、産業界での自主的な労災防止活動推進に加え、広く一般に安全意識の高揚を図るため、一度も中断されることなく続いている。
 宮古大会は県労基協会宮古支部のほか、建設▽港湾貨物運送▽陸上貨物運送―事業労働災害防止協会の4団体が主催して行われた。
 主催者を代表して、県労基協会宮古支部の上里明通支部長が「コロナ禍が終焉(しゅうえん)を迎える中観光客も増え、好景気が影響し各産業で人手不足が深刻になっている。このことが、今まで減少傾向にあった産業事故・労働災害事故の増加につながっていないか心配される。改めて労働災害撲滅に向けた取り組みを推進してほしい」と呼びかけた。
 また熱中症は就業中に起きることが圧倒的に多いとして、「気温や湿度の上昇などに敏感にならなければいけない。ミネラル・水分・塩分の補給に気配りが必要」と注意を喚起した。
 大会を後援した宮古労働基準監督署の井上茂樹署長は、22年度の労働災害発生状況を紹介。沖縄県の死亡者数は前年度比で大きく減少したが、休業4日以上の労災は統計開始以降最多だったという。「宮古地区も県内と同様の傾向で、非常に憂慮すべき事態」と述べた。
 また県内の定期健康診断有所見率は、全国と比較可能な21年度で11年連続ワースト1位を記録。22年度は県内・宮古地区いずれも、前年度より数値が悪化しているという。井上署長は「4月に大阪から赴任してきたが、沖縄と言えば長寿県というイメージがあったため、有所見率の高さは率直に言って驚いた。関係各機関と連携して労働災害防止を推進するとともに、働き盛り世代の健康づくりに取り組みたい」と話した。

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